実を言うと、気づいてはいたんだ。だってそうだろう。私はアイツ、アイツは私。
私の中のもう一人のアイツの気持ちなんか、すべて流れ込んでくるんだ。
【悔しい】
負けず嫌いなアイツらしい感情だ。
【勝ちたい】
別に私たちに差はないのになあ。
私に向けられたその感情は、最初は小さな輝きのようにほんの少し感じ取れるものだった。
でも最近は、アイツの強い感情が私の中に響き渡る。
うるさいくらい、な時もあるかな。
だから。
流剣「ずるいわね、全部お見通しなんて。でも、もうわかってるんでしょう?」
剛拳「うん。私もその気持ちに応えたかったからさ。とことんやろうよ。」
流剣「最初に言っておくわ。」
流剣「ありがとね。」
剛拳「かまわんよ。」
流剣「どっちが強いか、とかじゃないの。」
剛拳「うん。」
流剣「ただ、前回は邪魔が入ったから。不完全燃焼だったのよ。」
剛拳「ようやく、この機会にってわけだね。」
流剣「始まったら、止まれないわよ。」
剛拳「大丈夫だよ。こっちもだから。」