【登場人物】
【マチ】
人一倍強い魔力を体に秘めている少女。
幼い頃にモンスターに襲われ、意図せず発動してしまったマダンテにより撃退する。しかしその魔力を付け狙うモンスターの執念により次第に体を乗っ取られ・・・。
【黒服】
モンスターがマチの体を支配した姿。
支配する前は言葉を話す杖・ホーくんとして擬態しマチの装備となっていた。今はまだほんの少しマチの抵抗があるようで、マチのその絶大な魔力をすべて支配しきれてはいない。
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マチ「フォースブレイク!!」
黒服「なるほど。僕の体の耐性を弱めてその隙に支配から抜け出すつもりか。」
マチ(大体は読まれているか・・・。)
黒服「だが!」
マチ(だけど!)
黒服「無駄なこと。9割近く僕に支配されたお前の魔力など、僕に通用するはずないだろう。」
マチ「・・・威張るなよ。奪った力のくせに!」
黒服「関係ないさ。今はもう僕のモノなのだからね。」
マチ「それはどうかな。」
黒服「?」
黒服「むっ!」
黒服「これは・・・。」
マチ「きっと今、昔の記憶が甦ってるはずだよ。私に敗れる前の記憶がね。」
黒服「幼いマチの暴走した魔力に倒され、命からがら杖に擬態してお前の魔力を狙っていた。」
マチ「そう。でも幼くして魔力を使い果たした私の回復は長年に及んだ。だから喋る杖として私と友好的に過ごし、私が学生になってようやく魔力を取り戻してきた所を再び狙った。」
黒服「長年少しずつ僕自身の姿を取り戻すよう、魔力をちまちまと奪いながら。」
黒服「だがなぜ今、押し殺したはずの記憶が!」
マチ「さっきのフォースブレイク、手で防いだでしょう。」
黒服「・・・まさか!」
マチ「手を伝わり弱めたのはお前の心。一度私と戦って体を失ったお前の恐怖心は、どんなに隠そうと付きまとう。」
マチ「黒服・・・いや、ホーくん。お前は私を恐れている。自分でも気づいていないみたいだけど、だから最後の最後で私を完全に支配しきれないんだ!」
黒服「・・・クククッ。本当に最初から最後まで邪魔ばかりするね、君は!」