昔、シルデレラという一人の少女がおりました。
シルデレラは二人のちょっとおかしい姉をなんとか養うことに苦労しながらも、そこに生き甲斐を感じていました。
今日は何年かに1度の【お城の武闘会】があるにも関わらずシルデレラは・・・
「んー、毎日献立を考えるのも苦労するのよね。姉さんたちがわがまま言わず食べてくれるのが救いだわ。」
武闘会にはまったく興味をしめしておりません。それもそのはず、彼女の心配事といえば
シルファー「まったくシルデレラったら、本当に出来の良い妹なんだから!姉さん感激だわ!」
シルデレラ「頼むから自分でもなにかしてちょうだい。ムカつくわね。」
面倒を見てくれるシルデレラを溺愛しているダメな姉と、
せんこ「寝床があるのに、床に横になっちゃうぜぇ。ワイルドだろぉ〜?」
シルデレラ「ネタ的にもだいぶ古いわよ姉さん。とりあえず病院いきましょう?」
頭のおかしい姉、そのふたりのことで頭のなかはいっぱいでした。
シルファー「そうそう、出来る妹を誉めてる場合じゃなかったわ!今日はお城で武闘会があるのよね!」
せんこ「ああ、力自慢を集めて強いやつと結婚したいだなんて、物好きな王子様もいたものです!」
シルデレラ「・・・・・。」
シルファー「まあなんにせよ、ケンカに勝てば玉の輿!楽勝ね!」
せんこ「金持ちになっても毎日コーラだぜぇ〜?」
シルデレラ「ダメじゃん」
シルデレラ「はあ・・・なにが武闘会よ。バカバカしいわね。」
二人の姉に翻弄されつつも嫌いにはなれないシルデレラは、お城のイベントに興味はやはりありませんでした。
シルデレラ「さて、献立を・・・っと。」
『あなた、お城に行きたいとは思いませんか?』
シルデレラ「!?」
(ガチャッ)
魔法使いさん「お邪魔します。」
シルデレラ「いちおう玄関から入るのね。」
魔法使いさん「あなた、お城の武闘会に出て戦ってみたくはありませんか?王子様に気に入られれば人生が変わるのですよ?」
シルデレラ「人生・・・。」
魔法使いさん「そう。人生。だからあなたも」
シルデレラ「ないわ。」
魔法使いさん「・・・・・・えっ?」
シルデレラ「夕飯の支度をしたいから、帰ってくれないかしら?」
魔法使いさん「・・・・・。」
シルデレラ「・・・・・・。」
魔法使いさん「では素敵な衣装を用意いたしましょう。」
シルデレラ「聞きなさいよwwww」