「邪魔をするよ。」
武闘会から数日後、王子様はあの時出会った剣士への想いを諦めきれず、彼女が落としていった剣だけを頼りに各地を転々としていました。
そして、その訪問はシルデレラ家にもついに・・・。
シルデレラ(げっ!あの時の・・・。)
シルファー「王子様が!?」
せんこ「我が家に!?」
シルファー「い、いい一体何用で!?」
動揺を隠せない三姉妹。そこへ王子様は例の剣をかざします。
王子「この剣を華麗に振るえる剣士を探し・・・むむむ!?」
シルデレラに目をつけた王子様は何かを思い出したかのように目を訝しげます。
王子「き、君は・・・。」
シルデレラ「は、はい。なにかしら?夕飯が近いので手短に・・・。」
王子「いや、見間違えるはずがないぞ。僕の人生観を変えてくれた女性だ。君こそが・・・!」
戦うことが嫌いだった王子に、「大切な人を守るために戦うこと。」その素晴らしさと、その美しい戦いぶりを王子様の脳裏に焼き付けたほどの女性にそっくりな少女をついにまた見つけ、途端に目を輝かせる王子様。
王子「きみ!すまないがこの剣を振るってみてくれないかっ!?」
シルデレラ「聞こえませんでしたか?そんな暇は・・・」
シルファー(理由はわからないけど、王子様がシルデレラちゃんに注目を!?姉として誇らしいわ!もっと気に入ってもらわなきゃ!)
せんこ(数少ない来客!私のギャグを伝授するチャンスです!)
「「王子様!!」」
王子様「?」
シルデレラ「?」
ふたり「「ささ、お構い無く中へ。」」
王子様「あっ、はい。」
シルデレラ「ちょっとぉ!!」
姉ふたりの面倒な計らいにより、王子様を招き入れてしまいました。
逃げ場をなくしてしまったシルデレラは、しかたなく剣を受けとります。
王子「わくわく・・・!」
シルデレラ「はぁ・・・。」
シルデレラ「適当にごまかすしかないわね・・・。」