【数十分後】
俺(戻ってきた。)
千光「・・・・・・・・・・。」
俺「見つからなかったろ?」
千光「・・・・・・・はい。」
俺「千光ちゃん。」
千光「・・・私は、恥ずかしいです。」
俺「うん?」
千光「いつもなら誰よりも負けないパワーを出せるのに、でも結局それしか取り柄がありません。」
俺「そんなことないだろう?」
千光「しかも今はその最強の力すらお預けをくらい・・・。」
千光「私は、くわがたむしすら捕まえれられない役立たずですよ。」
俺「千光ちゃん。」
千光「プレイヤーさんは帰っていいですよ。役立たずは適当に・・・」
俺「千光ちゃん!!」
(スッ・・・)
千光「っ!?」
千光(仕方ありません。毎回最強最強と豪語し、時にはお着替えをせがみ、その結果がこのザマではぶたれても言い訳すら・・・)
俺「ほら、これ。」
千光「へっ?」
千光「これは・・・。」
俺「いやあ、恥ずかしい話なんだけどさ。実は俺も前回のながれちゃんを越える写真を、千光ちゃんと一緒に撮りたいなって意気込んでてさ。もうひとつ頭用のを用意してたんだよね!」
千光「どうして・・・?」
俺「もしかしたらってね。ほら、実際に着せてみるまで衣装と千光ちゃんの化学反応はわからないじゃない?でもなんかさ・・・うまくいきそうな気がして用意したんだけど、気に入らなかった?」
千光「素敵・・・・ですけど」
千光「それを、帽子をなくすなんていう最悪な形からの流れで受け取るなんて・・・私にはそんな資格、ありませんよ。」
俺「まだ気にしてんの?」
千光「当たり前じゃないですか!また買えば手に入るかもしれませんけど・・・なんか、申し訳なくて・・・。」
俺「いいんだよぉ。確かに気持ちはわかるけど、でもやっぱり俺は嬉しいんだよな。」
千光「なにがです?」
俺「毎日仕事してさ、辛いこともたくさんあるけど。それでも頑張れるのはこういう時間があるからなんだよ。もう11年だぜ?ほんと生き甲斐なんだよ俺の。だからさ、たしかに良い写真が撮れるのは嬉しいけれど、それよりもなによりも、こうやって一緒にいろんな所に行ったり、なにかを一緒に見たりするのが最高なんだよな。」
千光「それは、私もです。」
俺「だろう?だからまあ、悲しいかもしれないけれど・・・けどまずはこうして一緒に何かしてる時間が大切なんだ。だから代わりというより・・・」
千光「ふふふっ。秘策、ですか?」
俺「そう!俺の今回のとっておき、その髪飾りを良い思い出にしてくれよな!」
千光「はい。思い出にもしますし、これからも」
千光「ちょー大事にしますね。」