店主「おやおや、仲よさげで微笑ましいねぇ。お買い物かい?」
シルファー「ふっふっふ!」
ユキ「笑うとこじゃないぞ。」
シルファー「なに言ってんのぉ。ユキってば知らないのぉ?」
ユキ「なにを?」
シルファー「ここの・・・新商品を!」
店主「!!」
ユキ「へぇー。」
店主「詳しいんだねえ、お嬢ちゃん。」
シルファー「もっちろん!今日入荷の桜もち、いただきましょうか。」
ユキ「お前、意外とそういうの知ってんだな。」
シルファー「まあねん♪」
店主「・・・・残念だねえ、おふたりさん。」
シルファー「へっ?」
ユキ「売り切れなんですか?」
店主「いや、その桜もちねえ。入荷は明後日なんだよ。」
シルファー「・・・・・・。」
ユキ「シルファーお前、さっき今日入荷したって。」
シルファー「あ、あれぇ?言ったかなあ。」
ユキ「言いましたが。」
シルファー「・・・・・・まあ、残念ってことで。あ、そうだ!ゆっきーお金持ってきてないでしょ。」
ユキ「ん、ああ。まあただの散歩のつもりだったしさ。」
シルファー「だったら今日は私が色々おごってあげる!」
ユキ「え?お前もみさおにお金預けたばかりだろ?」
シルファー「ふふーん!私には秘策があるのだ!」
ユキ「秘策ぅ!?」
シルファー「手持ちのエルフの飲み薬をバザーに出すのだ。売れるまで話しながら待とう?」
ユキ「・・・・それどこで拾ったの?」
シルファー「最初から持ってたけど。」
ユキ「ふーん。」
ユキ「たしか昨日の戦闘でたまたま持ってたのを使って切らしたはずだよな。」
シルファー「・・・・・・。」
ユキ「・・・・・・。」
ユキ「ちょっと来なさい。」
シルファー「はい。」
-----------
ユキ「さて。まあ、こんな世界だから何が起きてもおかしくはない。その上で話を始めるが。」
シルファー「・・・・・・。」
ユキ「お前はシルファー、なんだろうけど。でもなんかおかしいよな。」
シルファー「なんかとは。」
ユキ「さすがに11年の付き合いだ。何者かが化けてる様子はないことくらいはわかる、が。となると・・・・、さっきの流れを踏まえて消去法で考えると・・・。」
シルファー「いいよ、私が言う。」
ユキ「ん。」
シルファー「多分ゆっきーが考えてるとおり。私は2日後の未来から来たんだ。」
ユキ「そっか。」
シルファー「あまり驚かないね。」
ユキ「頭が痛くなってくるけど、どおりで桜もちの入荷を知ってたり、切らしたはずのエルフの飲み薬を持ってたんだな。」
シルファー「さすが相棒、鋭いね。」
ユキ「お前がヘマしすぎなんだよバカタレ。」
シルファー「へへ。まあいいけどね。今日中になんとかしなきゃ意味ないし。」
ユキ「なんとかしないとって・・・?」
シルファー「もちろん、未来から来たのは理由があるってこと。」
ユキ「・・・・・。」
ユキ(もしかしてあの夢や、俺の悩みのタネ・・・それがまさか。)
シルファー「いい?とりあえず落ち着いて聞いてね。」
ユキ「・・・おう。」
シルファー「ユキはね。このままいけば明日、命を落としてしまう。」