ときどき提案広場を読んでいますが、錬金釜がクールダウン制になったの、不っ評ですねえ。
1~2日に一個か二個くらい、元の仕様に戻してくれっていう提案を見ます。
「錬金釜をクールダウン制にしたのは、急に持ち寄りに行くことになったときに、即座にカードを入手できるという利便性のためだそうだ。しかし、前の仕様では、釜が錬金中でも、それをキャンセルして材料を入れ直すことができ、40分後には召喚府ボスに行くことができた。それができなくなったので、不便さが増した。元に戻して欲しい」
だいたい、こんな感じの要望をよく見かけます。そりゃそうだよね。
それは、そうなんだけれど、「持ち寄りに即時対応できるようにするため」っていうのは、表向きの理由かもしれないですよ。
何か、裏に別の理由があるような気がする。
例えばだけれど、ドラクエ10って、サーバのストレージ容量がカッツカツだっていう話、有名じゃないですか。
ひょっとしたら、そのへんだったりするのかもしれない。
(注:以下、全部想像)
たとえば私の場合、ゴールドストーン5個をきんかい3個に変える錬金を、常時ぶんまわしています。プレイ開始時からためこんだゴールドストーンがあと700個くらいあるんだ。
で。
持ち物枠の1枠を、
「ゴールドストーン 99個」
という形で持っていたところに、旧仕様の錬金釜で、きんかいを作ろうとした場合。
この持ち物は、その瞬間に、
「ゴールドストーン 94個」
と、
「ゴールドストーン 5個」
に、分かれることになる。
「ゴールドストーン 5個」のほうは、システムのほうで特殊な状態になって、20時間のあいだ、保存される。
旧仕様の錬金釜は、錬金をキャンセルしたときに、材料をユーザに返還しなければならないので、サーバ側で材料を持ち続けるということは絶対に必要ですね。
「1枠にまとまっていたアイテムが、2枠に分かれる」
というのがミソで、つまり旧仕様の錬金釜は、全ユーザの全キャラクタに対して、持ち物の枠を1枠増やしたようなものなんだと推定できる。
(ほとんどのユーザが、錬金釜を常時回している状態だと想定できるので、ほぼ常時、持ち物が1枠増えている)
現状、「どうぐ」の中の「つかうもの」は、全6ページあって、どうぐを60個持てるようになっている。けれどじつは、見えない61個めのポケットがあって、錬金釜で錬金中の材料がそこに入るようになっている……というふうに私は推定したのです。
で、この、見えない61個目のポケットの保存容量が「もったいない」と、ドラクエ10の制作スタッフは考えたかもしれない。
持ち物の枠が足りなくて、もっとたくさんアイテムを持ちたい、というのは、いろんなところで常時ユーザが叫んでいる問題です。制作側は、その問題の解消に当然取り組んでいるだろうと想定できます。
なんとかして、かばんの7ページめか、装備袋の5ページめを提供したい、と彼らは考えているはずだ。
そういう彼らにとって、見えない錬金釜ポケットの1枠は惜しすぎるはずです。だって、つかうものの1ページはアイテム10枠ですよ。こういう感じで、もったいないデータの持ち方をしている場所を、あと9カ所つぶせば、つかうものが1ページ増量できるのだから。
そこで彼らは、錬金釜の仕様を変更する。
錬金釜を使うと、即座に目的の品物が排出されるようにする。そのあとでチャージタイムを発生させる。
この場合、材料のアイテムを消して、目的のアイテムを排出すればいいだけなので、見えない錬金釜ポケット1枠は発生しない。チャージタイム中に、材料を特殊な持ち方でサーバに保存する必要がない。
このういた1枠ぶんを、有効利用できるようになりました……。
「錬金をキャンセルした場合、材料は戻ってこない」という変更方法でも、錬金釜ポケットの解消はできる。制作スタッフは、そちらの方法も検討しただろう(と思う)。
けれど、そっちのやり方はユーザにとってうれしくないことしかない。
そのてん、クールダウン制は、
「錬金釜が空いているときであれば、即座にボスカードを作れるので、急な持ち寄りに対応しやすくなる」
という、部分的なメリットは、提供できる。
だから、そっちが選ばれた。
……というようなことを、想像しました。私は専門家じゃないし、ドラクエ10がデータをどういうふうに持っているのか全然知らないけれど(たぶん説明されても理解できない)、このへんのことは、ありそうなことかなって思います。
もしこういうことがあるなら、
「持てるアイテムの数を増やしてほしい。あと、錬金釜はまえの仕様に戻してほしい」
という要望って、かなり酷なことかもしれないですね。