ふくびき景品が一新されますね。
バザー価格で換算してみると、だいたい、「一等が当たったら30万ゴールド」くらいのイメージで設定されてるっぽい。
面白いのは二等。オグリのギュメイコインは今6万~7万Gあたり。ドワチャッカの二等はきんかい50個になるので15万G換算。エルトナのせかいじゅのしずく5個は今一個3000Gだから、15000G。ウェナのレアカラーフラワー50個は、現在一本12000Gなので60万Gだ。スゴイばらつき。ふくびきを金策と考える場合、焦点は二等のラインナップとみた。
単純に考えた場合、ふくびきはウェナで引くのが儲かる。
もちろん、大勢の人が「ウェナ得」と考えた場合、レアカラーフラワーは供給過多となり価値は下がる。ただ、半額になったとしても30万G。そのまた半額になってもドワととんとん。
が、ウェナ一等「お好きなしぐさ書ひとつ」のねうちはもっとガクっと下がるだろう。
しぐさ「土下座」のねうちは、今はバザー価格で30万前後。けれど、しぐさ書というのは一キャラが生涯で1個しか必要としないものだ。もともと需要が少ない。需要が少ないものが、供給も少ないことによって今の値段なのだから、二等狙いでウェナを引く人が増えた場合、しぐさ土下座は早晩ダブついて値崩れる。
でもまあ、「そのぶん二等が良い」と考えると、全体で釣り合いは取れているのかもしれない。
私がいちばん、「これ大丈夫なの?」と思ったのは、ドワチャッカの景品。きんかいも金貨も、基本的に「店売り」するものだ。つまり、他の大陸の景品は基本、バザー経済からお金を調達するものなのに対し、ドワチャッカの景品だけ、「システムからお金を引き出す」ものとなる。
システムからお金を排出することは、お金を刷るようなもの。世界に流通しているゴールドを直接的に増やすことであり、インフレ要因となる。
どうして、ドラクエ10の運営が、これほどまでにふくびき券をばらまけるのかというと、福引き景品のほとんどが、バザーで換金するものだったから。これまで、全ふくびきの98%がひかれていたオグリの景品のうち、システムから金を引き出す景品はほぼゴールドストーンだけ。どんだけ福引きがひかれようとも、すでに世界に存在するお金が移動するだけなので、システムからお金が引き出される量は無視できるほど少なかった。
ところが、今回、ドワチャッカの景品のきんかいが、従来の倍になり、ここで大量にくじがひかれる可能性がでてきた。ドワチャッカ二等の価値は15万G。引く人は単純に増えるはず。
世の中には尋常ではない量の福引き券が存在しており、「誰がどのくらいドワチャッカ福引きからお金を引き出すかをコントロールすることはできない。もしそこに人が殺到したら。
これってリスキーなんじゃないのと思ったわけです。
が、しばらく考えて、ドワチャッカ福引きの存在理由がわかった。これがあると、福引き景品の価値が安定するのね。
たとえば、なんかの要因によって、オーグリードの景品の値段も下がり、エルトナの景品の値段も下がって、福引き引いても全然もうからないよという状況が発生したとする。
ドワチャッカの景品は、経済がどんな状況であろうと排出金額がまったく一定なので、そういうとき人々はドワチャッカでふくびきを回す。
そうすると、そのぶんオグリやエルトナで福引きを回す人が減ることになるから、景品のバザーへの供給が減り、下がっていた値段が戻る。
そういう、ふくびきシステムの価値を担保するセーフティになっているのだろう。
ようするに、「ふくびきを引いたら、価値の高いものが手に入ります」というコンセプトは絶対に壊れてはいけないので、絶対に壊れないところを一つ作っている。それなら、リスクを取る意味があるよなと理解できたわけです。
大陸ごとに景品のコンセプトが違うという点にも、同じような意味があって、例えば新コインボスが追加されればオグリが流行るし、新エンドボスが追加されればエルトナが流行り、新しぐさが景品に投入されればウェナが流行る。そういうふうに、「今、ふくびき引き時」というトレンドを運営は任意で作ることができる。
が、もし、「みんなでエルトナを引きすぎて、エル飲みがめちゃくちゃ値崩れした」みたいな経済事故が起こった場合。
そのときにはおそらくオグリの景品は品不足で値上がりしているだろうから、福引き利用者はそっちに流れ、やがて景品の価値は平均化するので、混乱は一時的なものにとどまる。
と考えるとよくできてるなあと思うのです。この変更があったからといって、オグリ一強でなくなるとは思わないのだけど(運営もそこまで期待してはいまい)、ちょっと分散するだけでも、経済のおもしろみは増しそう。