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知の祝祭の攻略者

アラタ

[アラタ]

キャラID
: YA810-835
種 族
: 人間
性 別
: 男
職 業
: バトルマスター
レベル
: 133

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アラタの冒険日誌

2021-12-29 14:21:12.0 テーマ:その他

「多様な職で楽しめるコンテンツを」って二度と言わない覚悟できてます?

 本来はきちんとした思考力と発信力がある人が言うべきことなんだけど、そういう人が怠慢かまして言わないから仕方なく私が言います。

 我々はよく、「バトルコンテンツにいろんな職で行きたいのに、どうしてもパーティ構成が最適職に固定されてしまう。多様な職で楽しめるゲームになってほしい」みたいな要望を言うじゃないですか。

 せかいじゅの葉っぱとせかいじゅのしずくが、従来の高速度で詠唱できるということは、言い換えれば、「すべての職が実用速度のザオラルとベホマラーを持っている」ということになる。

 すべての職が実用速度のザオラルとベホマラーを持っているRPGにおいて、パーティ構成がDPS偏重で固定されるのはあたりまえです。
 ちょっと想像力をきかせればわかることだと思うのだけど、すべての職が実用速度のザオラルとベホマラーを持っているRPGが、多様な中・後衛ジョブのバトル参加を許容するのは構造的に不可能です。
 これは構造的な問題なので、どんなに天才的なゲームデザイナーであっても不可能だと言い切れる。

「すべての職が実用速度のザオラルとベホマラーを持っている」ことと、「パーティ構成がDPS偏重にならず、多様な職に参加機会がある」ことはトレードオフの関係にある。トレードオフというのは、片方を取ったらもう片方は取れないということです。

「葉っぱとしずくを元の速度に戻してほしいなあ。それとバトルコンテンツにはいろんな職で参加できたらいいなあ」という願望を漠然と抱いていた人は、これを読んだ瞬間に、ハッとして欲しい。

 ときどき提案広場で、「そこをなんとかするのがプロなんじゃないですか」みたいなトンデモ書き込みがあってびっくりするけれど、我々は社会に出ていればなにがしかの分野のプロであるはずなのに、そんな、「プロである」というだけでそんな魔法使いに要求するようなことをよく要求できますなあと思う。ふつう社会にでていれば、「いや、そう言われましても、自分、魔法使いではないので、構造的に無理なものは無理です」っていう困った経験はありそうなものだけど。

 もうひとつ、類似の問題がある。
「すべての職が実用速度のザオラルとベホマラーを持っている」状態は、今後、主にコインボスとして追加されるバトルコンテンツの幅を著しくせばめてしまう。

 コインボスはすべてのプレイヤーが必ず体験するコンテンツで、いってみればドラクエ10のバトルコンテンツの中心だ。

 開発者は、「これまでのボスでは味わえなかったバトル体験を味わえるコインボス」を開発しようとしているはずだ。

 ところが、そうやって苦心して開発したボスも、「すべての職が実用速度のザオラルとベホマラーを持っている」状態があるかぎり、今まで通りDPS3やDPS2+魔戦で倒せてしまい、結局のところ似たような体験になってしまう。

「いままでになかったギミックや特徴を備えており」「いままでのような攻撃職偏重の構成では倒せない」今までにないバトル体験を提供するコインボスなんていうのは、難易度が高すぎてとても開発できない。
 そりゃ、無限の時間と無限の予算と無限の人材がいればできるだろうけど現実はそうではない。

 そんなのは、いってみれば、手も縛って足も縛って海に放り込まれて「泳げ」といわれているようなもの。せめて、手か足かは縛られてない状態をつくってあげないと溺れて死ぬ。

 結局、「すべての職が実用速度のザオラルとベホマラーを持っている」状態では、今後、多様なバトル体験を味わうということはほぼ不可能でしょう。

 何度もいうけど、これは「構造的に不可能」なので、才能の有無とか能力の高低とかとは無関係といえる。ここまでがんばって葉っぱとしずくの性能を維持してきたけど、これ以上は構造的に無理というところまできたので、構造そのものに手を入れて解決をはかったということだよね。

 これはドラクエ10の開発者たちに「まともな問題把握能力と解決能力が"ある"ことを示すもの」です。少なくとも、私はそう認知できるけれど。

 葉っぱとしずくの速度が「いま」不快だから直して欲しいという人々をみると、「この人たちは今後、バトルにおける多様な体験をこのゲームに求めないことにしたのかぁ。その覚悟を決めたのは凄いなぁ」と思います。ブログ文壇のほとんどの人はこの覚悟をきめたご様子で。

 もしくは、「構造に手を入れることなく問題を解決する方法」を思いついているのかもしれない。それはぜひ開発者たちに教えてあげたほうがいいです。
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