ヘラクレスが一つの冒険を終えて機嫌よく意気揚々と道を歩いていると道の真ん中に小さな玉があった。
ヘラクレスがこん棒で突っつくと、喧嘩の玉はころころところがった。
「あっははは。なんだのこつまらない玉は。こんなもの叩き潰してしまえ」とヘラクレスはこん棒でいきなり、力強くたたいた。すると喧嘩の玉はいきなり大きく重くなってヘラクレスの行く道を半分ほど塞いでしまった。
「ううむ。なんだこれは。なまいきなやつめ」
ヘラクレスは機嫌をそこねてまたこん棒をかまえると、力をこめて喧嘩の玉を殴った。
すると喧嘩の玉はさらに大きくなってさらに重くなりヘラクレスの行こうとする道を完全に塞いでしまった。
「こんな馬鹿なことがあるか。俺に破壊できないものなどあるわけがない。」怪力自慢で神々からも信頼される英雄であるヘラクレスはすっかり腹を立ててしまった。
「このばかばかしい玉め、俺の渾身の一撃を食らえ!」
カンカンに怒ったヘラクレスは彼のこん棒を両手で握ると渾身の一撃を喧嘩の玉に食らわせた。
すると喧嘩の玉はぐぐんと大きくなりズウンと重くなりヘラクレスを押しつぶしてしまった。
巨大な玉になった喧嘩の玉にヘラクレスは押しつぶされ身動きできなくなってしまった。
「うわぁ。これはどうしたことだ」
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これはイソップの寓話の一つです。
物凄く強いヘラクレスの様な無敵の英雄でも、うっかり喧嘩の玉をなぐってしまうと、手に負えないほどの大きさになりヘラクレスをも押しつぶしてしまった。という教訓をもっています。
自分はこの寓話を読んで、ヘラクレスを今のアメリカに感じてしまいました。