そんな世界があっても良いじゃない
こっぺさんが持っているこの本は
埋まることのない白紙のページが続くだけなのだから描いては消える消えては描く白紙の本なのだから
不確かだからこそ存在しているのだけれど
たまにはその不確かを形にするのも良いんじゃない?これもきっとどこかのどこかのきっとどこかにあるものなんだね。
其処退け其処退け御馬が通る
其処退け其処退け逢魔が通る
陽暮れが王の御通りじゃ
宵の衣を身に纏い
月が御角を先立てば
逢魔は水面を蹴飛ばして
きらりきらりと星舞わす
其処退け其処退け逢魔が通る
あなたの住む世界は
私が住む世界とは異なる世界なのだろう
あなたの持つ世界は
私が持つ世界には無い色で飾られているのだろう
あなたの世界に私は有るのだろうか
私の世界にあなたは有るのだろうか
私の瞳はきっと世界を映さない
花を咲かせてみせましょう
神々をも魅了する甘美な香りを届けましょう
それはきっと美しく
あなたもきっと虜となるでしょう
なれど花とはどのような物であったか
美しきとはどのようであったか
あなたが望むその花を
私が咲かせることは出来ないのでしょう
私はあなたが持つ美しさを知らないのだから
この木立を彩るは
私は木立となりましょう
あなたが紡ぐ物語を養分に生きる樹となるのです
どれだけの時が流れようと私はここでその時を待つのです
いつの日か
あなたが望んだ姿となるまでを