さて、本日語りますのはとある画家志望の男のお話。少し暗めの内容と語り口となっておりますが、最後には多少なりの「希望」を添えてあります故後味はそんなに悪くなっていないと思います。
それではどうぞ、ご賞味あれ。
「夢と現実」
スケッチブックを 焦りという色で
塗り潰した
遣る瀬無い色で 模様を付けて
不安な色で 夢を描いた
希望とは反対の様な絵・・・
真っ白い人生だったはずなのに
真っ白い人生だったはずなのに
荒んだ絵
あの頃は 何にも疑わずに
明るい希望を描けたのに
楽しむことを忘れた 絵
恐れることを覚えた絵
びりびりに破いた
自由であることを忘れた 絵
苦しむことを覚えた絵
めちゃくちゃに破いた
あの頃は 何にも疑わずに
明るい希望を描けたのに
思うまま描いてたと只
思っていただけだったのか？
何枚も何枚も描いて
私はいつしか夢を描く事を止めていた
夢と現実から目を背けて
ある日
私の部屋に遊びに来た友人が
ゴミ箱に捨てた絵を見て
「この葛藤を描いた様な、生き様を表した様な絵が好き」
と言って
しわくちゃな絵を広げて
破られた絵を繋げた
私の目からは涙が溢れていた
心が救われた気がしたからだ 失くしていた絵を描く理由が見つかったと思った
また描いていいのか また描けるのか そして気付いた
また描けるその喜びに
また描けるその嬉しさに
在るがままの自分で！この汚れた自分で！この荒んだ心で！
この醜い心で！今の自分で！
「この葛藤を描いた様な・・・」
全てに囚われて！将来の夢に執着して！
あの頃の自分と比較して！ 他人の目も気にして！
「生き様を表した様な・・・」
それでも描いていいんだ
あるがままの私で
「この絵が好き」
そう気付かせてくれた友人の言葉 絵を描く理由をくれた友人の言葉・・・
私はそれから絵を描く力をもらって再びこうして
描き始めている 何枚も 何枚も 何百枚も 何百枚も
何千枚も 何千枚も
そして友人に感謝しながら
生きている喜びを噛み締めながら
今日はあの頃の様な「明るい希望に満ちた絵」を描いている
あの頃の様な「希望に満ちた絵」を・・・
いかがでしたか？
わしはこの主人公の様に、胸の奥に葛藤を抱えている人が美しくまぶしく輝いて見える時があるんです。それは命が燃えて燃えて激しく燃えているからなのか分かりませんが。とても味のある人生の深みみたいなのを感じてとても好きですじゃ。
そう思うと人生の辛い事も、嫌な事もまあ思ってるよりは悪かぁ～～～ないのかなあと強がりと負け惜しみみたいな事を言って日誌を終わろうと思います。
最後に鳥山さん！素敵なドラクエキャラたくさん生み出してくれてありがたら～～～～～～＞＜＞＜
