「く・・・早くしなければ!」
目の前には倒れた仲間達。
さらには、彼らを切り捨てた侍のような男。
後ろには、怯え、後ずさる仲間達。今にも泣きそうな表情だ。わたしも泣きたい。
わたしは一度そいつを睨みつけた後、部屋を見渡す。そこまで広くはない部屋だ。左には通路がある。
「こっち!通路に誘い込もう!」
仲間を左の通路に向かわせて、私は侍の方を見て挑発した。
「こっちだ!ちょんまげ野郎!」
侍はこちらを見てニヤリと笑みを浮かべると、静かに、ただしすごい速さでこちらに近づいてきた。
やばい、速すぎる!?
慌ててわたしも全力で通路に走る。後ろを振り返らずに、いや振り返ってる余裕もない。
通路に入り、そのまま前に体を投げ出す。
そして転がりながら仰向けになると、ちょうど侍の刀が先ほどまで私が居た場所を横に薙ぐところだった。横に薙いだ刀が壁に少し刺さり、少し、ほんの少しだけ侍の動きが止まる。
「いまだ!」
わたしは持っていたカメラを侍に向け、シャッターを押した!
侍は不気味な笑みを浮かべたままスッと消えた。
そして、「ジー」という音と共にカメラから1枚の写真が出てきた。
そこには消えた侍が映っていた。
「よし、あと少し!先へ進もう!」
そう言って、私が部屋に戻った瞬間。
横に男が立っていた。
「ひ!?」
通路に飛び込む瞬間までは居なかった筈だ。
飛び込んでから、シャッターを押して、写真を確認してる間に?
とにかく考えてる暇はない。
ふたたび、私は前に飛び、後ろの仲間たちに声をかける。
「気をつけて!新手!」
起き上がり、そいつを見る。
今度は小刀を両手に1本ずつ持った、小汚い小柄の男だ。先程の侍同様、不気味な笑みを浮かべてこちらを見ている。
「くそ・・・あと少しなのに!」
わたしはこの部屋の先にある扉を見た。
扉の前には、侍に切り捨てられた仲間たちが倒れている。彼らはたどり着けなかった。
その扉の先。
そう、トイレに。
ふと、目が覚める。
目の前には天井が見える。
厚めのカーテンの隙間から少し光が差し込んできているのが見える。夜明けは近いようだ。
もう一度寝るのもいい。
だが危険だ。まずはトイレに行こう。
そう思い、わたしは上着を羽織る。
そして居るはずのない、侍と小刀の男がいないこと確認すると、あっちでは中々たどり着けなかったトイレに入っていった。
変な夢を見たもんだ(´∀`)
もっかい寝ます。おやすみなはい(*´-`)