【ネタバレ注意】
「ここは一体どこだ?」
かつて四足歩行の赤い悪魔であったこの者は地獄に堕ちたものの、そこでの刑期を終えて、新たな生命体として再び生まれたのでした。
マグマロンが周囲を囲む場所で、遠くの方でのドアボーイと門番の小競り合いを眺めながら、ニードルマンの頭上でメガザルダンスを踊らされる。そして、踊りで周囲の魔物を回復させると同時に力尽きるも、すぐにブラックマージがまかいじゅの葉で蘇生し、延々とメガザルダンスを踊らされ続けるあの苦痛の日々が、かつてはレッサーデーモンと呼ばれたこの者は過ごしていたのでした。
「なぜあんな苦痛を・・・?」
この者は過去世の記憶を思い出そうとします。そして、思い出せました。
あるドワーフの声が聞こえてきました。
「この剣は何ですかい?」
ドワーフが剣を一振りすると、バギムーチョ並の威力を誇る竜巻が発生しました。
「ムギィー!こんな切れ味がよくて使える剣はいらねえですよ!」
そのドワーフの投げ捨てた、実は伝説の剣が、崖下で昼寝をしていたレッサーデーモンの急所を貫き、彼は絶命してしまったのです。
「そうか、思い出したぞ。あの緑色の短足オヤジめ。復讐してやるぞ。けど、なんか俺の体、おかしくないか。ハッ!?」
レッサーデーモンは過去の罪障で地獄の刑期は終えたとはいえ、カビとして蘇生したのでした。
「これは一体どうすれば…」
その時でした。
「まいまいテイルは、まみむめも~♪」
1匹のフォンデュが通りかかりました。
「よし、奴に寄生して…」
フォンデュの体にくっついた元レッサーデーモンであるカビはフォンデュの体を乗っ取りました。乳白色のフォンデュの体は黒くなっていきました。
「ふはは、これで復讐ができる!」
その後、元レッサーデーモンは修行を重ねつつ、胞子をまき散らしては他のフォンデュをくろカビこぞうへと変え、軍団を組織していきました。
この様子を知ったある冒険者はこのことをドルワーム水晶宮のウラード国王に報告します。
「なぜ、ダストン氏は竜族といい、くろカビこぞうといい、こうも命を狙われるのだ?だが、そんな魔物の群を放置するわけにもいかない。チーム大使室に連絡を!」
こうして、チーム大使室経由でくろカビこぞう討伐の指令が出たのでした。
くろカビこぞうたちはゼドラ洞にいるので、そこへ私たちは行きました。
「なんだ、お前たち?」
「あなたたちの計画を阻止しに来ました。」
「何だと?お前達、やってしまえ!」
元レッサーデーモンの部下となったくろカビこぞうが大量に襲いかかってきました。魔結界でドルモーア対策をした後で、旅芸人のたたかいのビートで強化し、戦士の真・オノむそうに、私のジバルンバでくろカビこぞうたちを倒していきました。
「なさけないな」
「す、すみません。しかし、あいつら、かなり強いです」
「かまわないさ、それよりお前たち、じゃまだよ。」
元レッサーデーモンのくろカビこぞうはそういうと、ドルマクロスを詠唱して、他のくろカビこぞうたちを倒してしまいます。
「お前たちも邪魔だよ」
くろカビのリーダーはそういうと、腕の一振りで戦士を一撃で気絶させます。僧侶がダモーレの呪文でくろカビこぞうの能力をチェックすると、攻撃力1030、守備力823と、ドラゴンガイア強を越える強さでした。
「どうやら、俺の強さに気づいたようだな。」
くろカビは不気味な光を放ちました。
「俺は元はレッサーデーモン。過去世の記憶から、この特技が使えるのだ。そして…」
もちろん、くろカビこぞうでもあるので、魔力覚醒も使えますが、その発動速度は他の個体と段違いです。
「宿主の持つ宝珠のおかげさ。さあ、受けるがいい!」
そういうと、元レッサーデーモンのくろカビこぞうはドルマクロスを再び唱え、私たちは瀕死・全滅寸前となりました。
「俺の復讐を邪魔するからこうなるんだ、ん?」
突如、くろカビこぞうの体が裂け出しました。
「な、なんだ!?」
裂け目は徐々に広がり、くろカビこぞうの体が崩れ始めます。
「どういうことだ!?」
「おそらく、くろカビこぞうはそもそも風属性耐性が低いため、闇と風の属性を両方持つドルマクロスの連発に耐えられなかったのでしょうね。体をもっと慣らしてからの方がよかったのね。」
「そんな、ぐあああああああああ!」
こうして、元レッサーデーモンのくろカビこぞうの復讐は終わりました。
再び地獄に戻ったレッサーデーモン。
じごくのドアボーイが笑顔で迎えます。
「おかえりなさーい!^^」
「いやああああああああああああ!」
こんな感じでチームクエスト「くろカビこぞう討伐」は完了しました。
※「くろカビこぞう討伐」のチームクエストは確かにクリアしましたが、ここの物語はフィクションです。