年始に企画した各種族代表のフレンドさんがドラクエ3の勇者として旅立つフィクションの企画。リアル都合上、年始に五種族全てできず、ようやく今になって四つ目のドワーフ編公開です。
時の化身は語る
同じ物語でも、選択によっていくつにも分岐するッチ。
「起きなさい、私のかわいいティソナ。今日はあなたの16歳の誕生日。王様に会いに行く大事な日よ」
ティソナは王様に会い、父オルテガの仇で世界征服を企む竜頭魔王バラモスのことを聞きます。
「1人では心許なかろう。ルイーダの酒場にじこちゅうしんな海賊、ぱふぱふずきな天文学者、ブログちゅうどくなばくだん岩がおるから連れて行くとよいだろう。」
「そのような怪しい者を連れずとも、私は1人で大丈夫です。なお、魔王は絶望をすすり憎しみを食らい悲しみの涙でノドを潤すと言われます。私は美食家兼料理人。」
「え?」
「バラモスに、私が鍛治で作った大獄剣と名付けたこの包丁で絶品の料理を振る舞い、改心させる所存です。」
こうして勇者ではなく、美食家兼料理人のティソナはバラモスを改心させる旅に出たのでした。

ティソナは行方不明になりました。
バラモス軍は世界を次々襲撃します。サマンオサはボストロールの謀略で国力低下、ポルトガはドルイドたちに壊滅させられ、イシスはメタルスコーピオンに悩み、ロマリマはデスセイレスに骨抜きにされ、ジパングは女性がやまたのおろちの生け贄にされ続けたことで「エルおじでもいいから」と発狂する男性が増加しているなど、各地で被害増大中でした。
勇者がアリアハンを発ったという話は各国に伝わっていたものの、この惨状に民衆は
「勇者は何をやってるんだ!」
と疑心暗鬼でいっぱいになっていました。
そう愚痴を吐いたおじさんの前にエビルネプチューン、バスカービル、ダークファンタズマ、カプリゴンが現れます。
「ひ、ひええ~」
その直後、剣閃が魔物たちを切り裂きます。ティソナでした。

実はティソナはワルぼうを自作の木の実パイで釣って、ワルぼうの案内で異世界にて調理素材を集めていたのでした。しゃっきりレタスやギッチリとうもろこしなどに加え、バラモスを喜ばせられそうな素材も集めに行きました。素材は包丁「大獄剣」で切ります。
わななく鉄条の世界でバザックスを倒し、そこでバザックステーキを作り、
はでな秋めいている悪魔の世界でベリアルを倒し、そこでベリアルチーノを作り、
昔ながらの闘鶏の奈落の世界でチェリースライムを倒し、そこでチェリスラカクテルを作り、
練達の青臭い湿原の世界でダークペスカトレを倒し、蒸しダークペスカトレを作り、
北国のかよわい花園の世界でスライムベホマズンを倒し、そこでウルトラベホズンワッフルを作り、
大いなるコロゴロの坑道の世界でヘルバオムを倒し、そこでヘルバオムサラダを作りました。
「これがあたしのフルコースよ!」

いよいよバラモスと対峙です。
「二度と生き返らぬよう、ソナたのはらわたをくらってやろう!」
「そんなものばかり食べていたらおなか壊すわよ!それよりこれを食べなさい!」
「よかろう、どれどれ…」
バラモスはティソナのフルコースを口にします。
「うおおおおおおおおおおおー!」

ティソナVSバラモスの結果はどうなったのか、その記述はなぜか闇に葬られました。ティソナのフルコースの味は?バラモスの感想は?
しかし、全てを終え、ぐっすりと寝るティソナの姿は確認されています。
こうして、伝説は始まったのでした…