2年前にドラクエ生誕30周年の個人企画としてドラクエのオリジナルストーリーを書こうとし、2年前の大晦日に以下の物語を日誌で公開しました。
まずは、そちらを再掲載します。
ムオルの西の方の山奥に、生い茂る多くの針葉樹に囲まれ、ワカサギやコイやドジョウの泳ぐ小川のある小さな村があった。中年の婦人たちは拾い集めたクリやクルミを煮、小さな女の子たちはヒナギクやクローバーで冠を作り、若い女性は詩作にふけり、男たちは工作や建築に用いる重い資材を運んでいた。
そんな村の東の外れに武道場があった。そこでは13,4歳くらいと思われる少女が長身の初老の男に訓練されていた。少女は師の首を目掛けて回し蹴りを放つが、師は右腕で防御した。反撃に備え、少女は数メートル後ろへ跳んだ。
「今日はここまでだ、アリーナ!」
「ありがとうございます、ディルク師匠!」
二人は互いに礼をし、その日の稽古は終わった。
アリーナはピンク色のショートヘアで、語り部の服とくの一の装束をアレンジした服にドラキーウォーマーを身につけている。激しい稽古でくたくたとなったのか、菓子屋「マポレーナ」に向かった。マポレーナの装飾が際立つ店のメニューの中、アリーナのお気に入りはプリンパフェ。それが彼女の目的であった。
「マーレのおばちゃ~ん!食べにきたよ!」
「そう言うと思って、もう用意してあるよ。」
器に大きく盛られたパフェに顔の綻ぶアリーナ。
「好きなだけお食べ。」
「ありがとう!いただきます!」
アリーナは口一杯に頬張り、満面の笑みを浮かべた。アリーナがパフェに夢中になっていると、外から悲鳴が聞こえた。
「どうしたの!?」
蛇が物を飲み込むような勢いでアリーナはプリンパフェを一気にがっついてから、店の外に出ると、三匹のスライムが村人を襲っているのを見た。アリーナはそこへ駆けつけた。
「私に任せて!」
この2年間再考して、時間の都合上細かい描写は避けて、テンポよく読めるように再構成しました。上記の場面とその続きを合わせて「第1章」となります。ついに第1章が完成したので、それを後で記します。
お楽しみに。