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ドラゴンクエストの世界を彩る小さいながらも重要な構成要素であるモンスターたちから、いくつかをピックアップして普段以上に纏めて紹介する当企画。今回はブラッドハンドを取り上げます。
処刑場の血溜まりから生まれたブラッドハンド。処刑された罪人の亡霊が深紅の手の魔物へと変化しました。強い怨念を抱き、生者の生き血を吸って地獄に引き込もうとします。
また別説では、生の全てを戦場に捧げた勇猛な兵士の手が、死後も戦を求めて動き出した存在とも言われます。
時代や地域によっては、ブラッディハンドとも呼ばれます。
アストルティアのブラッドハンドはグールのお供として出現したり、いきなり地中から襲いかかったりします。
ブラッドハンドは、おどろおどろしい手の動きで仲間を呼びます。同種のブラッドハンドの他、ベホマスライム、うごくせきぞう、トロル、ごくらくちょう、だいまじん、じごくの番犬、ホールファントム、ほうおう、グレイトボンバーなどを呼び寄せます。一説によると呼ばれる魔物たちは、ブラッドハンドの生前の相棒だった者だそうです。けれども、こんなに相棒がいるとなると、人材の墓場と呼ばれる某窓際部署の係長を彷彿させるのは私だけでしょうか。呼び出した魔物たちを、ブラッドハンドは応援したり、ツッコミを入れたり、かばったりもします。なお、仲間として呼び出しはしないものの、ウドラー、ヒババンゴ、ダースドラゴンとの連携が冒険者を苦しめた話があります。戦闘中の攻撃としては、腕を伸ばして敵の足に絡み付き、動きを封じたところでその相手を叩きつけます。時には連続拳の特技として、素早く殴り付けることもします。
それから、複数匹の同属の魔物が集まると連携技のハンドパワーで攻撃力を高めます。
他に、近くに落ちている石やアイテムを投げ付けたり、一方で自分に向かって飛んできた弾状の攻撃を地中に引っ込んでかわしたりします。
また、中にはヒャドやマヌーサ、レクイエムの笛といった呪文や特技の使える個体もいます。
必殺技はブラッドアッパー。地中から相手を思い切り殴りつけます。
怨念に囚われているものの、ブラッドハンドは本当は救いを心の底で求めています。
また、ブラッドハンドの手から垂れる液体は養分が豊富で、地獄の農場で肥料して重宝しているそうです。それと、ブラッドハンドの天敵はキラークラブらしいです。
いい面、悪い面、両面で曲者なモンスターです。
ブラッドハンドはリアルでバトルえんぴつやトレーディングバトルカードなどに登場し、同種だけでなくトロルも呼び出し、数で攻められます。素早さも高く、先制できる可能性も高いです。他に、「ギガスラッシュ」というサイコロを用いたフィギュアゲームにもブラッドハンドは登場しました。ブラッドハンドを行動させる確率は12分の1なので、活躍は難しいところでした。なお、この「ギガスラッシュ」は同じくサイコロを用いる「シールコレクションバトルバージョン」と一緒に遊べるルールが登場すると言われていて、その片鱗が製品に見えてもいたのですが、結局そのルールは公開されずにそれら2種のグッズは終売となりました。シールとフィギュアのコラボゲームは謎となったのでした。
ブラッドハンドは今後どんな側面を見せてくれるのでしょうか?