《前回までのあらすじ》
ようやくあの時のあの子に会えたかと思っていたシラナミは、ヨッチ族のベロニカッチに導かれて、アレフガルドにやってきました。冒険の書を汚した犯人を探して倒すのが目的です。
「なにゆえ、それほどまでに傷を負っているのじゃ?」王は驚嘆しました。
勇者は治療と休息により回復しました。勇者は事情を説明しました。
「それならば、この者を連れて行くがよい」
王様が紹介したのは1匹のコープスフライでした。
「恐縮ですが、なぜ魔物を?」
「こやつは賢者と魔物使いの力を兼ねた伝説の賢王ポロンが従えた魔物の子孫である。この魔物の力は必ず役立つはずだ」
「かしこまりました」
「ところでそちらの高貴な出で立ちの男は何者だ?」「この国はどこの田舎だ!?覚えておけ!僕の名前はシラナミ!最高の財力を持つ男さ」
「お前、一国の王に対してそんな態度が取れるなんて、ある意味すげえな」
ベロニカッチがツッコミました。
「お前もな」
シラナミが返しました。
「誰と話しているんだ?」
ヨッチ族を見ることのできない勇者がシラナミに尋ねました。
「え?」
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勇者はシラナミとコープスフライを連れて、虹の雫を得るために再びリムルダール南部に来ました。
「今度こそお前を倒し、雨と太陽を合わせる」
「諦めて震えていればよかったのに」
コープスフライのヘナトスとシラナミのまぶしいひかりでシルバーデビルの打撃力が大きく削がれ、勇者は奥義ダブルインパクトでシルバーデビルをついに撃破しました。
「
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「私が竜王に貸し与えたシルバーデビルをやるなんてなかなかやるわね」
カルメンが現れました。
「お前か、あんな魔物を!」
勇者はカルメンにベギラマを唱えましたが、カルメンはマホステを唱えてベギラマをかき消しました。
「あら、残念。じゃあ、今度は私の番」
カルメンはイオグランデの詠唱を始めました。
「あ、あ…」
勇者は驚愕していました。
「うあああ、まだ僕は死にたくないよー!」
シラナミは叫びました。
「先に手を出してきたのは、そっちでしょ。これはれっきとした正当防衛…はっ!?」
カルメンがイオグランデの詠唱をやめました。
「この波動はエテーネの錬金術師!厄介なのが近づいているわね。今回は見逃してあげる」
そう言って、カルメンは去りました。
「これでもう、この冒険の書は大丈夫だ!」
ベロニカッチが宣言しました。
「これでようやくあの子の元に戻れる…」
「何言ってるか!まだまだ修復の必要な冒険の書はあるんだぜ!」
「そんなあああああー!」
シラナミとベロニカッチを遠目で勇者は眺めていました。
「ありがとう、見知らぬ君!」