皆様、ごきげんよう!
伝説のヘアーサロン、かぶこうの近くに有った丸坊主専門店。ここのお客様には不良たちから身を守ってくれる有難い保険特約がついていた。
ここの店主は腕っぷしが強く、学校で弱い立場の人が通う繁盛店になりつつあった。普通の床屋へ行くのか、当店に来店するのかは彼方次第です。不良たちに絡まれて大変な事になるくらいならば、当店で丸坊主にしましょうが謳い文句だった。
1人目のお客様で味を占めた営業担当のぼっち君は、同級生内で勧誘活動を始めた。他店の床屋代と同じ価格がモットーであり、御来店者は経済的に損をさせずに安全な学校生活を保障するのが営業としての武器であった。
そして、新たに一人がご来店をした。
当店は前金制ですと前金を受け取り店主へ半値を渡す。
おい!半値はどこへ行った? それは、ぼっち君の懐の中だよ。
うっしっし、二人で4000円の売上や。わいの取り分は2000円やで~。二ヶ月に1回のご来店だから一月に一人当たり500円や!
高校で中1の数学を習っているから方程式もバッチリや!
この調子でお客様が増えてれば、益々、儲かるで~!
目指すは6人や!6人で月収3000円や!
と随分とせこい事を考えると思うが、人一倍、お金への執着心が強いので仕方がない。そして女性への執着心も強い。幼い頃からケチで通っていたぼっち君であった。
調子に乗っているぼっち君であったが、不良から監視されている事に気が付かないのであった。
背後に忍び寄る黄色いスーツを着た猿顔の不良の陰が・・・。
しかし時は残暑が厳しい9月上旬!黄色いスーツの男が、道端で倒れていた。
おい!大丈夫か!
アカン熱中症や!
そう猿はあまり発汗をしないから熱中症になりやすい、そんな中で長時間も街中へ出ると熱中症になるわな。しかも水分補給も満足にしていないなんて、猿だけあって間抜けや。
新大阪駅で熱中症になった猿顔の奴がいたようや。
九州新幹線からの乗り換え中に何をやっていたのやら。
十分な水分補給、気温を湿度の低い場所で休憩をする等の心掛けが必要や。
これもノンフィクションやで~(笑)
当時のぼっち君は、儲かると分ったことで調子ののり、身の回りに潜む抵抗勢力に気が付かなかった。
そして父親にバレるXデーが迫っていた。