相手に立ち向かうには、その相手を理解する必要がある。
神の経を研ぎ澄まし、感覚の細部に宿る、神のコードを脳の支配下におく。
法則というものがある。
体系化を試みる。
周知できる書式にまとめる。
情報交換し、強固に、強大に。
感覚から遠いほど、神の支配から逃れられる。
感覚に近いほど、神に支配され、精神を蝕まれる。
感覚が優れたものは弱く儚いが、受神器として重宝された。
社会性の欠如は指導した。
発狂しそうになると、体罰で正気を保たせた。
使えないのは捨てた。
受神器達の成果を、研究者達は我が物とした。
それに絶望して、多くが命を絶った。一部は酒や薬に溺れ、壊れた。
研究は富と名声のために、捻じ曲げられ、迷走した。
魔女の毒(Ver1.0)が完成した。
神の毒に対抗できるかは、、、確かでない。
魔女アマデウスは、思う。
俗人にとって受神器より、単純に翻訳する人物の方が重宝する。
祭り上げればいい。器は滅ぶ。
ただ、拾い集めた方法論の欠片欠片に潜む軌跡。
それに思いを馳せるのはとても贅沢なことだと。
神に、魔女の毒を飲ませたら、どうなるのだろうか。
アマデウスは楽しげに森の奥へ、奥へと歩む。