ぐらり…
世界が傾く。
否、傾いているのは私の方だ。
この風景、どこかで観た気がする。
この味、どこかで一度食べた気がする
ぐらり…
ディジャブゥ。
否、そんな筈はない。そんな訳がなかろう。疲れているだけだ。
そうして私はワタアメを口に放り込んだ。
成功とは、失敗を重ねてもやる気を失わないでいられる才能である。
おたこ。
彼の者は紅い。
私が躊躇して結局成し得なかった高級レア花で染色した本物の紅を着る。
全財産2、300万円の中から、躊躇なく100万円以上使った紅い服。金の使い道がおかしい。金銭感覚が狂っている。
彼の者は強運。
迷宮には現物無し。破片の中にキラリと光る錬金石が混じれば大当たりだと彼は云う。
邪神にはベルト無し。周回時ちいめだタイムが延々と繰返される。量産された小さなメダルは雫へと変わる、ある意味無駄のない強運である。
彼の者は知将。
小さな身体から繰り出される爪の波状攻撃はサソリの表面を擦るのみ。しかし武器をペンに持ち替えたならば状況は一変する。サソリと感想文対決をするのならば強さ3を遥かに凌駕する攻撃力で書き殴り、いとも簡単に勝利を掴むだろう。この智者のペンよりも恐ろしい剣はない。けれどもサソリは感想文対決ではなかった。聖戦なのだ。
惜しい、、、
悔しい、、、
彼の者はフラグを立てる。
ねっぱもはぐんもくらわない宣言→転けて絶
ブラッド接触しすぎない宣言→死亡
ましょくはもうくらわない宣言→マヒ
リンク忘れない宣言→興奮して忘れる
リンク用スマホタイマー5分設定→1度鳴ったらタイマーを止めれずうるさい。リンク更新は成功するがうるさいので止めたら死亡。
見事なまでの回収である。
そして彼の者は惑わす。
サソリの時間は限られている。敗戦後、皆急いで聖廟に飛びワタアメを食べて準備をする。
自称教官である私はその間丁寧に門下生達に助言を与える。大抵の場合聞いてるかどうか分からぬくらいの勢いで聞き流されるが、偶に極偶に、助言内容で盛上がる事がある。漸く話が纏り、再突入の場面でこの男は再度無言でワタアメを食べはじめる。ときにはワタアメだけでなく高級なステエキまでも。2分前に食べたという自信があるものの、無言の圧力はとても説得力があり私を酷く惑わすのだ。
私は少し頭を撚る
アメは先程食べた。パスタも食べた。
食べた筈だ…。
ぐらり…
この日記は下記の作品のスピンオフ企画となっております。是非本編をお楽しみください。
https://hiroba.dqx.jp/sc/diary/75089955499/view/6313240/