「ううう。やっぱりこの格好じゃ寒いね。」
お気に入りの服を見つけるとずっと着たままなのが
ネネの悪い癖である。
『寒イ?』
『人間は不便デスネ』
語ってきたのはマシン系モンスターのビビ
雪山で壊れていたところをネネが見つけて、修理してもらったのだ。
なので人を襲うことは無い。
人工知能も搭載しているので日々知識が増えていく頼もしい相棒である。
「ねぇビビ、さすがに今日は帰ろうか。」
『そうデスネ』
『でも、次来るときに備えて編み物の得意なあの人に
セーターを編んでもらうのはどうでショウ?』
《あの人》とは自宅に居るコンシェルジュの事であろう。
ビビの知識は0か100なので知らない事は全く知らないのである。
つまりコンシェルジュの名前はまだネネに教わっていないのだろう。
「いいねそれ!」
ネネも乗り気のようだ。
『丁度この辺りにいい素材を持ってるモンスターが居ますので
狩りに行きまショウ』
『ここから北東辺りに反応アリ反応アリ』
さすがの知識量。
「わかったわビビ」
「ちょっと寒いけど頑張るね!」
ネネとビビは目標地点へと急いだ。
「あれね」
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『はい。そうデス』
『私にお任せくだサイ』
そう言うとビビはイエティの毛皮を自慢の刀で丁寧に剥ぎ取った
ビビはあっという間に毛皮を剥ぎ取り、
剥ぎ取られたイエティはそのままの姿でさらに北へと逃げて行った。
「やったねビビ!!」
「じゃ帰ろっか!」
・
・
・
ネネは自宅に帰り
編み物の得意なコンシェルジュに
セーターを編んで欲しいとお願いした。
「ネネ様お帰りなさいませ」
「お安いご用ですよ♪」
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夜も遅くなったと言うのに
快く引き受けてくれるコンシェルジュを持って
ネネはとても幸せなのでした。
そして
そんな時間も掛からずセーターが編みあがった。
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「わーい!」
「ありがとう!コンシェルジュっ!!」
どうもネネはコンシェルジュの事をコンシェルジュと呼んでるようだ。
ビビはそれをインプットしていたのであろう。
『ネネサマ、お似合いでございマス』
『早速明日にでも、雪山に遊びに行きまショウ』
「うん。そうだね!」
明日ネネとビビは雪山に遊びに行く事になった様である。
果たして・・・
◆後編◆に続きます。