俺の住んでる雪原地区が
目つきの悪い猫どもに占拠されてる件は
以前話したよな?
(1/27の「僕が猫語を話せるわけ」参照)
これがさ、
最近ますます治安が悪くなってきて
やつら、銀行やバザーのあたりに
ヤンキーみたいにたむろってんだよ!
今日も銀行で金おろした後に帰ろうとしたら
ヤンキー猫どもに取り囲まれたので、
「すんません!勘弁してくださいー!」
思わず土下座しちまったじゃねーか!!!
だって俺、弱ぇーんだもん!
まだエンジェル帽かぶってんだもん!
何度も転生してレベルカンストした猫どもに
腕力で敵うわけないっしょ!
「すんません!あんたたちのシマ荒らしちゃって!てか、俺、ここに住んでんですけど・・・」
「・・・・・・」
「あ、そういう問題じゃありませんよね、はい!わかります!住んでてすみません!いや、生まれてすみませんーーー!」
「・・・・・・」
「なんすか?お金ですか?もちろん差し上げますよ!喜んでー!だからお願い!見逃してぇ!」
「・・・・・・」
俺の必死の嘆願にも顔色ひとつ変えず、黙って見据えるヤン猫様たち!
何!? 何が欲しいの!?
口で言ってよ、わかんねーから!
あ、でも猫だから喋れねーのか!
取り引き飛ばして来ねぇとこみると、
どうやらカツアゲ目的ではないらしい。
じゃあ、何が目当てっ?
もしかして俺の身体ーーっ?
いやん、そんなぁ!
こいつら、俺が好きなのかっ?
こんな土下座しぐさしてたら、
さも後ろから襲ってくださいと言わんばかりの
無防備さなのか、俺っ!?
などなど、様々な思いが脳内をめぐり、
悶々としてた俺だったのだが、突然!
何も言わずに去って行く
謎のヤン猫たちなのだった!
おーーーい!
俺まだ無防備に土下座してるんですがーー!
俺の身体はいらないのーーー?
おーーーい!
おーーーーーーーい!
置いてかないでぇーーーーーー!!!
まったく、どんな放置プレイだ!
意味わからん!
それにしても、だ!
ヤンキーには必ず頭がいるもんだよな!
いったい、こいつらのボスは誰なんだ!
と、思ってたら!
なんと!
さっき俺を取り囲んだやつらの中の一匹が
ボスに報告に行くのを目撃しちゃったぜ!
そのボスとは・・・・・・・!!!
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ええええーーーーーーっ!!!
バトンちゃんかよーーーーーっ!!!
ひぃーーーーーっ!!!
バトンちゃん、しょっちゅう俺んちの前に立ってるから、てっきり俺のファンになったプク女がストーカーしてんのかと思って放置してたら、ヤン猫どもの頭領だったのかーーー!
うーむ、驚くべきバトンちゃんの正体!
人は見かけによらないってのはほんとだねぇ!
こないだはショタで、今日はプク!
見た目かわいいヤツらの闇はハンパねーぜ!
俺はすっかり人間不信になり、
フレの家に相談に行ったんだが、
あいにくフレは不在で、
代わりに頼れるアニキを発見!
あ、アニキーーーーー!!!
俺の悩みを聞いてくださーーーい!
「アニキ、アストルティアって、ほんとは怖いとこなんですねぇ」
「・・・・・・」
「そんな世界で冒険してるアニキ、尊敬しますよ!俺もアニキみたいになりてぇ!」
「・・・・・・」
「アニキ、相変わらず無口っすね!だけどそこがクールでかっこいいっす!」
「・・・・・・」
「アニキ、俺たち話が広がりませんね・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
あああ、ラウル兄貴もコミュ障かぁー!
しゃーない!
俺は俺で逞しく生きてくぜ!
今夜はこれから男魚集会だーー!
フレ増やして凱旋するぜ!