『よう』
「よう。例の日は過ぎ去ったが…どうだ?チョコレートは貰えたか?」
『ああ、「聖水」と「うまのふん」と「ドルセリン」を貰った。』
「…なんだって?」
『チョコの代償として、
「聖水」と「うまのふん」と「ドルセリン」を貰った、ということらしい。』
「お前そういうネタには恵まれるよな」
『好きでやってないと言っている』
「つまり、だ。ドルセリンでどっか山奥に行って、よく肥料と水をやって自ら埋まると、
増毛の機会があるとかいう…」
『ねーよ!なんで全員が結託して送りつけてくる前提なんだよ!
全部バラバラにもらったっつーの!』
「じゃああれか、お前近々進化の可能性とかがあるんじゃないのか」
『そんな方向性の人類の進化なんか聞いたこともねーよ!
よしんば進化するとしてもBボタン連打するわ!!』
「お前モンスターだったのか…いやいやお前ならありうるかもしれんか」
『そういうのホントやめてくださいお願いします』
「で…そんなモン送りつけられる心当たりは?怨恨のセンか?殺人事件か?
お前まさか名探偵と知り合いにでもなったか?」
『ねーよ。
聖水は分かる。
彼女忙しいみたいだしな。チョコが手に入らなかったんだろう。
僧侶的に言えば凄く助かるし、感謝したい。』
「まあ、うん。それは良いとして…うまのふんは?」
『完全にネタだ。チョコのようなモノ的な。』
「カレー食ってる時にその話するのと同レベルじゃないのかそれは」
『レベルはさておき、ブツ自体は100個用意したらしい。
ネタを本気でやってる。』
「なんでそこまでよくわからん方向への努力を惜しまないんだそいつは」
『戦闘民族だから仕方ないとしか言えん。
しかも途中で飽きたとか言ってたらしいし。』
「凝り過ぎて途中で飽きるタイプか」
『だから様式美として突っ込むべきだと思ったんだが…』
「が?」
『そんな時に限って居ない』
「ますますもって残念だな…。で、ドルセリンは?』
『要約すると
「お前みたいなドMはこれであちこち駆けずり回って来い」ということらしい』
「なるほど、お前がドMなせいだと」
『俺は認めてないと言った』
「いい加減認めてはどうかね」
『くどい』
「わかった、つまり今回の件は全部お前の存在がネタであるせいだ」
『まとめんなボケが』
「じゃあまともなチョコは貰ったのか?」
『…』
「どうした、言えよ」
『11個』
「ほう、すごいじゃないか?」
『10個は キ ュ ー ト カ カ オ 製だ』
「…そりゃまた、愛に包まれているじゃあないか。
それがお前が調達したものでなければ完璧だったな。
って、じゃあ1個は…?」
『貰い物だ。ちゃんと女性の友人からのものだ。』
「なんだ、貰ってるんじゃないか」
『…』
「どうした?」
『そのチョコの原産が、ワ イ ル ド カ カ オ なんだけどな』
「…」
『怖くて食う気がしない。魅了にでもかかるんじゃないかって。』
「…」
『しかもさっきの10個と完全に混ざってしまってだな。
どれがどれかわからん。
もうなんか絶望しそうなので、提案広場に
「貰ったチョコの区分けが付く様な能力が欲しいです」って提案を』
「そう思わない」
『…そう思えよ』
「そう思わない」
『そう思えよっっっ!!!』
「そう思わない」
完