【その1】
ある日、彼はレシアさんに呼ばれてヒドラ狩りに出かけた。
運良く百鬼の隠れ屋敷に出たため、怒り状態から障害物を利用して完封した。
彼はそれを自分の手柄としてドヤ顔をしていたが、そこにモンテさんが一言。
「餌おつ」
…いいさ、私の腕で勝った訳じゃないもの。
そう彼は考えた…訳がなく誰が餌だボケがと頭を沸かしていた。
相変わらず煽り耐性が0である。
しかし、楽勝だったことは事実。
気を良くしたのか、レシアさんのフレがバラモスのカードを使うと言い出した。
彼はバラモスにはいい思い出がなかったのだが、行くことにした。
結果は完封。文句なしの勝利だった。
なんだ、楽勝じゃないか、とこの時彼は思ったという。
だから彼は勢いに任せて自分のバラモスコインを使ったのだ。
『ですよね、わかってました。』
開幕でバラモスがネクロゴンドを放ってきた時点で、
彼は全てを諦めたようにそう呟いた。
そう、「分かってた通り」
続く攻撃が魅了の舞で、
バフを整えるたびに暗黒の舞を受け、
その場合だけキャンセルショットが何故か確実に失敗し、
暗黒の舞の直後はネクロゴンドか魅了の舞の二択を迫ってきたという。
ついでに途中選択をミスって世界樹の葉を使われ、
挙句の果てに「草僧侶」(いや葉っぱだろこれ)なる不名誉な称号まで頂く始末。
『おれが悪いのではない、難易度がここだけおかしい』
と自らのミスを隠ぺ…じゃない反論するものの、
「そりゃあね、あなただから仕方ないね」と返されてしまう。
仕方なかったのなら配慮頂けないか…と彼は思った。
だが、そんなもんはなかった。世界は非情である。
【その2】
メルサンディの試練を終えた後、彼は二日続けて救助者になっていた。
大体皆サポ3で来るので、彼と同じような運命を辿っていた。
しかし、何度も蘇生されながらも折れずに門に向かって行く彼等の姿を見て、
別に俺だけがドMってこたないんじゃね?
これ見る限り連中も相当だろう。
と思ったという。
一方、彼は救助者期間中に少なくとも6回は勝利し、
その倍以上は全滅しているのだが、そこは計算に入れていないらしい。
どっちもどっちであった。