その日、私は元気玉を使い、噂の真コニウェアで戦士の目を回していた。
と言っても私は基本ものぐさだ。
イチイチ結晶用に武器や防具を買ったりなどしない。
レベル30まではサンタ服と薬草でもたせ、30からは王者装備だったりする。
今は道具使いレベル28。貧弱なボーヤだ。
上げている間は作戦チェンジと移動しかしない。
戦闘はサポに任せ携帯弄ったりテレビみたりしている。
効率は多少悪いだろうがレベル上げはダラダラ孤独にやるのがポリシーだ
…ったのだ、が。
チリンチリン
…ん?仲間の誘い?
相手は戦闘民族いしのさんだった。
無言誘いとはいい度胸だ。
『なんぞ』
「はよ」
【加速せよ】だと?どう言う意味だ?
大体二文字如きで私を動かそうなどとは舐められたものだ。
そのような言葉で私が動くはずがない。
大方「お前は五文字で私を動かしたが私は二文字で貴様を走らせる」
とでも吹いているのだろうがそうは問屋が殺さない。
…あれ?殺さないだっけ、まあいい。とりあえずぶっ殺さない。
平和のわかる奴はここが違う。
『だから何?』
「道具使いのままではよ」
『いやあの…私が装備手抜きなの知ってるだろ?』
「いいから、はよ」
駄目だ。会話が加速しまくっている。
コイツ粒子加速器でも飲み込んだんじゃないのか?
それとも伝説の不通言霊使い「コミュ・ショウ」の末裔か何かだろうか?
彼の一族は会話につまると物理魔法
「イッテ・モワカラン・ノデ・ブンナ・グッタリ」
により相手の顔面を紫色に染めてコミュニケーションを取るという。
私の顔面も紫色にされるのだろうか。よく考えたら既に紫色だが。
流石に嫌な想像をしてしまったので、権力に屈するふりをすることにした。
多分ここはたえしのぶときー、とかいっとけばなんか大丈夫だろう。
向こうにはモンテさんととれすさん…なんだ、いつものやつか、が居た。
…ってー。なんで私以外レベル70超えてるんですかね?
『道具使いのままって…これ絶対足引っ張るだろ』
「僧正が僧侶以外をやっていたからつい反射的に」
だからって反射的にサポ以下の性能の私を誘うなよ!Σ(・□・;)
『はあ…で、どこ行くの?』
「もんもんの試練消化」
( ゚д゚)
あかんこれ死んだわ。
いかに死なないかを競うゲームかなんかですか?
『いやあんた…私全身サンタだぞ』
「www」
「道具倍加術に期待!」
『倍加術はレベル31からだが?』
「…」
「www」
「それじゃ行こう!」
おいてめーらスルーか。
王者装備もなしに裸同然(外見はレンタルで誤魔化し)だぞ。
急なことだったから肝心の道具もないしな。
何回死ぬんだ…?
結果から言うと10回以内だった。
全滅は一回だけ。
ヤケクソになってマリーン様のラブチョコ入り青髪産チョコを
戦闘民族に食わせまくってたら、いなづまで全滅した。
全員調子こきすぎである。
やっぱ僧侶じゃないとどーにもこいつらは抑えられんな…。
ちなみに私は基本的にピオリムとぶきみなひかりをばらまいていた。
てか、それしかなかった。
レベル30になって王者装備が使えるようになったので、
折角だからビッグモーモンにぐるぐるメガネ60%とまもりのたてで
魅了を防げるかためして見た。
結果は
そこそこ防ぐんじゃない?
だった。100ではないらしい…。
試練4つぐらいクリアをしたところでその日はお開きになった。
「僧正、そろそろラズいかないの?」
『準備は済んだんだが、ちょっとタイミングを逃してな…』
「わかった近いうちに拉致ろう」
『はあ、お手柔らかに…』
その拉致が翌日だとはこの時の私は思っていなかった。
続く。