※現実は厳しいのです。
むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんはメギスへ討伐売りに、おばあさんは海へ釣りに出かけました。
おばあさんが海でジンベエザメを釣っていると、
ドンブラコ、ドンブラコと、大きな桃が流れてきて釣り針にかかりました。
「おや、元気タイム中なのに邪魔しないで欲しいわ」
おばあさんはしぶしぶ桃をさかなぶくろに入れて、家に持ち帰りました。
そして、おじいさんとおばあさんが桃を食べようと桃を切ってみると、
片手剣スキルが0だったためにダメージが通りませんでした。
なんとか会心の一撃を与えると、
中から元気の良い男の赤ちゃんが飛び出してきました。
「これはきっと、2アカ目のキャラにちがいない」
アカウントのなかったおじいさんとおばあさんは、大喜びです。
桃から生まれた男の子を、
おじいさんとおばあさんは桃太郎と名付けようとしましたが、
漢字が使えなかったのでももたろうと名付けました。
ももたろうはメタル周回ですくすく成長し、
やがてフルパッシブの戦士になりました。
そしてある日、ももたろうが言いました。
「クエストリストに新しいクエストが追加されました」
おばあさんにきび団子を作ってもらうと、
ももたろうは鬼ヶ島へ出かけました。
旅の途中で、イヌに出会いました。
イヌはももたろうの募集内容をサーチすると、話しかけてきました。
「パーティにいれてくれませんか。鬼ヶ島クエストですよね?」
「はい、それであっています。よろしくお願いします。」
「それでは、きび団子☆☆☆を1つ下さいな。」
しかし、おばあさんのくれたきび団子は、大成功品ではありませんでした。
ももたろうは、イヌを仲間にできませんでした。
仕方なく、ももたろうは酒場へ行き、
LV85のイヌ、サル、キジを雇いました。
耐性やスキルはある程度妥協せざるを得ませんでした。
こうしてももたろうは、ついに鬼ヶ島へやってきました。
鬼ヶ島では、鬼たちがイベント開始を待っていました。
「よろしくお願いします」
ももたろうはサポート仲間に話しかけましたが、
もちろん返事はかえってきませんでした。
イヌはオオカミアタック、サルはタイガークロー、
キジはベホマラーで援護してくれました。
そしてももたろうも、ギガブレイクで大暴れです。
とうとう鬼の親分のHPが半分になりました。
しかし、鬼の親分の攻撃パターンが変化すると、
即死ダメージ攻撃を連発してきたため、
ヒーラーのキジがすぐにやられてしまいます。
ももたろうは自家製のはっぱを大量に投入して戦いをつなげました。
とうとう鬼の親分が倒れました。
ももたろうが奥に現れた宝箱を開くと、
ウルベア金貨一枚と紙切れが一枚入っていました。
「システムから出るお金が多すぎるとインフレになるので、報酬を調整しました」
おじいさんとおばあさんは、ももたろうの持ち帰った金貨をみて
「労力に見合わない。せめて、黄金の花びらを報酬にしてくれれば…」
と、提案広場に提案しました。
そして三人は、今日もアストルティアでたくましく生きていくのでした。
めでたしめでたし。