それは昨日のことである。
祝日ということもあり、いつもは遅めにやる試練を
さっさとクリアしてしまうことにした。
しかし…このとき私は油断していた。
レグなんとかさんのために1日に試練を何周もした私は、
試練ごときどんなパーティでも行けるぜヒャッホウ的な心境だったのだ。
テンプレパーティばかりやって飽きていたのもあるのだろう。
適当に誘ってみたメンツが何故か全員魔だったりしても
さっぱり疑問にも思っていなかった。
火力でぶっとばすんだろ?わかるわかる。
しかしうちなんと二人が短剣魔なのであった。
ああ…短剣魔ね。魔塔で強かったもんね。
別に塔外で使ったっていいじゃん、うん。つよいし。
短剣持ってる魔法使いって小説でもいるしね。
むしろ短剣がメインの暗殺者みたいなのもいるし。
問題ないんじゃあないかな。わかるわかる。
―――実に愚かである。
ここで賢明な状態の私様であったならば、
ここになんらかの爆弾が仕掛けセットオンであると気づき、
詳細を問い詰めていただろうに。
しかしリアル麻痺ガードなんて持っていない私は、常識的に麻痺していた。
リアル地雷である。
異変に気付いたのはブラバニクイーンあたり。
いや…短剣魔だから短剣メインなのはわかる。すげーわかる。
だが、覚醒をしていないのはドウイウコッタウィ?
覚醒せんのんか?覚醒しないから寝ぼけなのか?眠りガードないのんか?
そんなことを考えていると
3人が密集してる中にSHTBBQスティンガーが刺さり、
仲良くバーベキューである。
下ごしらえの終わった材料を元に戻すのに葉っぱを4回は使っただろうか。
別に僧侶だから葉っぱの枚数なんてどうでもいいのだが。
肉だけじゃなくて野菜も食えというやつだ。
しかし解せぬ。なんだこの低カロリーパーティは。
いや短剣自体はそこそこ強いんだが…何故に?
なんだと?
覚醒がない?
…そうか、まあ、そういうこともあるよな。
パッシブ職とかってあるだろうし。
「スキル50しか振ってないです」
( ゚Д゚)
パッシブすら振ってなかった。
どうやら今回雇ったのは魔法使いじゃなくて暗殺者の方だったらしい。
それ「魔法使い」じゃなくて「魔法使えます」の間違いなんじゃないだろうか。
履歴書に書いてある役に立たない資格かなんかではないのか、それは。
なんかいろいろ諦めた私は色々本気になることにした。
ここからが本番である。
…といいたいところなの、だが。
以降とりたてて苦戦は実はしていなかった。
唯一まともな火力の杖魔法を維持しつつ、他二人は短剣で支援。
これが案外よく回った。
エレメンも大した苦戦はせず、
やまたのおろちも寝かしを入れて壁して魔法ぶっぱで勝利である。
…スキルさえよければなんでもありか、こいつら。
普通に勝ってるのがある意味悔しいんだが。
まあ、本題はそこじゃないんだ。
本題は次。
続く。