シーンの冒険日誌

「まあ、それはともかく。もう一つ悪い知らせが」

『今度はなんだ』

「ゴーレムが反乱、というか正常化して反旗を翻しました」

『えぇ…』

「なんで設計図通り作らせたんですか？」

『いやだって…量産するなら設計図通りだろう』

「プロトタイプゴーレムはメダパニ食らっておかしくなってただけなんですよ。それを設計通り作ったら寝返るに決まってるじゃないですか」

『そんな昔のことなんか知るかッッ！』

「ともかく、そのゴーレム軍団、大活躍だそうです。冒険者の撃ち漏らした魔物をガンガン狩っているそうで」

『…』

「ついでに言うとそろそろ冒険者達がこちらに向かってくるそうです」

『…一応聞くが虹の雫は』

「さっきの間諜が手配を」

『そうか…』

「しばらくは通路に押し込んだストーンマンの撤去作業で時間が稼げるかと」

『それ、わしらも出られんのでは…？』

「いやあ、ビルダーズって便利な力持ってますよね。マップと同期させたら楽にブロック詰めましたよ」

『ゲームやってんじゃねえよ！』




「それともう一つ問題が」

『なんだ』

「冒険者がたぶん大挙して押し寄せてくるので分身して戦ってください。具体的には４人か８人ごとに。」

『そんな能力ねえよ！』

「じゃあ数万人にボコられますよ？」

『…どうしろと』

「頑張ってください。あとラスボス申請するんでこの用紙にステータス書いてください」

『そんなもの今調べて書いておけよ』

「まさかそのステータス（ドラクエ1基準）で戦うわけにはいかないでしょう？バランス調整はご自分で行って下さい」

『ば、バランス？』

「とりあえず冒険者と比べて自分の強さどれぐらいだと思うか書いてみてください」



〜しばらくして〜


りゅうおう（小男）
HP70000
攻撃1000/守備700/重さ600から拮抗
ギラグレイド（無耐性1300ダメージ）
ベホマ
いてつくはどう
全耐性


りゅうおう（竜形態） 
HP99999
攻撃1600/守備800/重さ740から拮抗
通常２回攻撃
痛恨の一撃
ジゴデイン（無耐性1200ダメージ）
ジゴスパーク（無耐性1500ダメージ）
ドラゴンビート
テンション上昇２段階
おぞましいおたけび
竜の咆哮
全耐性


「ダメですね」

『えぇ…』

「まず通常形態ですが、いつでもベホマが使えるなら封印耐性は外してください。クソボス呼ばわりされます。」

『はあ』

「あとギラグレイドもあまりよくありません。ダメージが多すぎますし、この範囲効果では密集したとたん潰されます。前衛の不興を買うでしょう」

『なんでわしがそんな気を使わんといかんのだ…』

「単独ならまだしも第二形態があってこれでは…。そしてその第二形態がさらによくありません」

『えっ』

「これ◯グナードと既存ボスのパクリですよね？」

『いや別にそんなつもりじゃ』

「どう考えても魔法で倒せ、要耐性、とにかく押せ、と言っている風にしか見えません」

『はあ』

「まして密集してからの近接ジゴスパーク、マホカンで容易に弾き返せるジゴデイン、雷耐性と炎耐性着替えの煩雑さ…まごうことなきクソボスです。状態異常も入らないからデバフ職も空気になりかねません」

『な、なんでそこまで言われないといけないのだ！連中だってガチガチに耐性固めてくるだろう！おあいこだろ！』

「触ったら死ぬぐらいの連中には適度な手加減が必要なんですよ…それともガチガチじゃないと勝てない地雷魔王でしたか？」

『そんなことは言っとらんわ！や、やってやろうではないか！』

「頑張って調整してください」


果たして、玉座までのブロックが撤去されるまでに
バランス調整は間に合うのか…？
というか本当にでるのか？竜王…？

バージョンアップをお楽しみに。

完