※この物語はフィクションです。特に元ネタの映画もありませんし
実在するプレイヤーでも(たぶん)ありません。
スクルトは用法・用量を守って正しく使いましょう。
【1】
『スクルタンをご存知で?』
「ああ、一般的な意味でなら知ってるかもだ」
『最近そいつに出くわした』
「どういう奴だったんだ?スクルタンだと思った理由は?」
『明白だ。ヤツは3スクルトしたからだ』
「3?2ではなく?」
『「途中で死んだ奴の掛け直し」があるからな。
2スクでないものはすべてルカナタンである、
一心不乱にスクルトせよ、が連中の特徴だ』
「そんな様子なら4スクルトもあり得たんじゃないのか」
『4スクルト目でくたばったのさ。そして全滅した』
「…その、全滅した時に言い訳かなんかはあったのか?」
『ゴム手袋と槍持ってたせいで詠唱が遅くて、ご迷惑をおかけしたと』
「論点がズレている気がするが、何故槍を」
『ジゴスパ素人だそうだ』
「今度からコンセントとアースを差し入れてやれ」
『そうする』
【2】
『スクルタンに質問をしたんだ。
スクルトしてワンパンチで倒されるのと
スクルトしないでワンパンチで倒されて即座にザオラルするの、
どっちが良いってさ』
「そりゃあ…後…」
『同じ死ぬなら痛くない方が良いだろう、ってさ』
「なるほど、一理あるな。では聖女と比較すればどうなんだ?」
『聖女で救えない命もスクルトは等しくお救い下さる、だそうだ』
「お救い下さることもある、だろう。ダークキング4の前でも言えるのかそれ」
『いや、ないな』
「ブレてるじゃないか」
『言う前に死んでたからな』
【3】
「スクルタンはそこまでどうしようもない連中なのか?」
『いや、何事も状況次第だ。
例えばピラスクルタンやタイザコスクルタンなど、
低火力で数が多い相手へのスクルタンは活躍するからな』
「逆にダメなスクルタンは?」
『ジャスクルタンやレグスクルタン、ダスクルタンだな。
所謂焼け石に水なタイプ相手には弱い』
「じゃあなんで連中スクルトを崇拝してるんだ?」
『お前、困った時何を唱える?』
「そりゃあベホマラーかザオラル…」
『それと変わらんよ。まあ、この場合困るのは周囲だがね…』
【4】
「で?教会送りか?プロ僧侶」
『女神に見放されてな』
「女神ってのはあれか?
天使ちゃんと聖女ちゃんに…散々貢いだ金ロザちゃんか?
俺の全身こそが俺自身を守ってくれるハーレムだぜとかなんとか…
シラフでは絶対言えない戯事を昨日言ってたが」
『その、それと女神の実物ちゃんだ』
「で、女神ちゃんは?」
『待ち合わせにちょっと遅れただけで逃げてった』
「聖女ちゃんは?」
『不利になるとすぐ逃げてった』
「じゃあ天使ちゃんは」
『水掛けられたら逃げてった』
「貢いだ彼女には」
『気まぐれでね』
「今の気持ちを総合すると?」
『ツキに見放された。葉っぱから苦い失恋の味がする』
「なるほど、要約するとバフの配分をしくった上に自ら前線に出て、
挙句いてつくはどうに突っ込み、運良く教会送りになりましたと」
『なんでわかった?』
「手に槍を持ってるじゃないか」