シーンの冒険日誌

こんばんは。11時のアストルティアニュースです。
本日メンテナンスのため放送時刻を変更してお送りいたします。

神聖アストルティア教会が広く販売している魔法の聖水の成分が、
ただの水と変わりないのではないかとの訴えが多数上がっている問題について、
本日教会側が記者会見を開きました。

会見において、ゼンメツ・ゼニトリー大司教は次のように述べました。

「我々は冒険者の手助けとなるよう広く聖水を配布している。
この聖水によって助けられた冒険者が多く存在していることは
いうまでもなく広く知れ渡っている。
その聖水に助けられておきながらこのような不満が出る事は誠に遺憾である。」

（事実はそれとして、実際の成分について公表しないのか）

「教会の秘匿事項にあたるため、公表はできない。
教会の司祭により清められた、たいへんありがたい水とだけ申し上げておく。」

（製法について話すのではないので、問題ないのでは？）

「清められた水は既にその時点で普通の水ではない。
魔法の基礎を学んでいる人間ならば誰もが知っていることだ。
少なくともただの水を提供しているわけではないのだ。
事実効果が出ている。それが全てではないか。」

（プラシーボ効果の悪用ではないのか）

「プラ…？よくわからない横文字はやめたまえ。
ここではググれないのだぞ。」

（そもそも500Gはぼったくりではないのか？ホテル代に比べると十倍以上の値段だが）

「では商人どもが売り出してる劣化品を買えばよいだろう。
我々の活動の財源としては必要不可欠なのだ。
ご理解頂きたい。」

（コインボスの報酬が教会によって聖水にすり替えられている疑惑については？）

「事実ノーコンである。君は魔王が聖水を所持していたら教会の関与を疑うのかね？」

（魔王が聖水持ってたら浄化されると思うのですが）

「いちいち例え話の揚げ足を取らないで頂きたい。
大体聖水をすり替えて何になるというのか。
わざわざあんなコインに大金を払って魔物の住居に不法侵入をするなど、
私にはとても理解し難い。
大体アクセサリーなど売れないではないか」

（コインを浪費すれば聖水も大量に必要になるのでは？
バザーのコイン裏取引や価格操作の噂も…）

「ありえない。証拠をだしたまえ。」

（教会の管理するルーラストーンネットワークに割り込めば追跡も）

「話にならん！これで会見は終了させてもらう！」

会見は中断され、成分についての発表はありませんでした。
今後、更に訴えが広がることが予想されます。


【番組終了後】

「…」
「…」
「福引教会が操作してんじゃね？」
「はいはい陰謀論ですねないです」
「オーグリードとかおかしいだろ絶対」
「確率公表されてないんですから自己責任ですよ」
「じゃあ俺の運勢に責任取らせろよ」
「大吉しか信じないくせに。大吉取るのに運使ったんじゃないですか？」
「俺の運勢はこんなもんじゃないはずだ！」
「みんなそう思って今日も小瓶がぶ飲みしてるんですよ…」