#01-Ⅰ:アストルティアにある史料から考える(後編)
前編であげたテキストを踏まえて、
ストーリーの流れに沿って考えてみます。
1 石碑や神話で「竜族」「7つ目の大地」の存在が示唆される
↓
2 現状それがアストルティアにない
↓
3 実際に竜族が住んでる大地が、門の向こうにボボンと私たちの前に現れる
これによって、ナドラガンドが元々の「ルティアナがつくって竜族に与えた大陸」なのかなというのが、
一番先に思いつくことでした。
オーグリードやドワチャッカと同じように、天空にあった大陸がナドラガンドで
それが門の向こうに移動したのかなという発想です。
これは、隠れ里にあった本(1-c.)の
『アストルティアから切り離された~』の箇所とも一致します。
ナドラガンドは元々アストルティアの一部であり、
それが何かの理由で次元の向こうへ切り離されて、門を閉じられたという流れです。
でも、こうだとすると「なんで?」って思うことがふたつあります。
疑問1 竜族が元いたアストルティアの場所は「故郷」じゃないの?
隠れ里の婦人は、昔話(2-c)で「祖先たちは異世界へ旅立った」といっています。
これ、私には、"新天地となる世界が別にあって、竜族がそこへ移動した"という印象を受けます。
さらに婦人の話は、「竜族の故郷がある世界」と続きます。
じゃあ、『異世界へ旅立つ前まで、竜族がいたアストルティアの場所って何なの?故郷じゃないの?』って話になります。
これだけ読むと「竜族ってアストルティアじゃない世界から来たの?」とも思うんですが、
ちゃんと1-c.には"神代の昔、アストルティアから切り離された故郷"とあります。
この二つを併せて考えると、
【奈落の門の向こう側にあるのはかつてアストルティアの一部であったことは間違いない
↓
でも切り離された段階では竜族はアストルティアに留まっていた
↓
その後故郷を追うようにして奈落の門の向こうへ旅だっていった】
こうなる気がするんですが…
なんかもやもやしませんか、、なんで竜族ぬきで故郷だけ切り離されたんだろ?
疑問2 「奈落の門」という名前
仮にナグラガンドが、アストルティアで「空に浮かんだ大陸」「空の民竜族のすむ場所」そのものであったとして、
そこへ至る門があるとしたら、なんて名前をつけますか?
私だったら「天空の門」とか「虹霓の門」とかつけると思います。
実際、この門はレンダーシアの空にありました。
しかし。この門の名前は、「奈落の門」です。
奈落って地獄です。地獄は世界の下にあるものですよね。
光の神殿から奈落の門へ至る悠久の回廊も、下へ下へと進んでいくものでした。
場所の矛盾だけじゃなくて、意味も矛盾してる気がします。
たしかに今いくと、地獄といわれてもおかしくないくらい苛酷な環境だとは思うのですが、
竜族が理想を求めて飛び立った場所なのなら、
それだったら「天国の門」でいいでしょう。
それとも、そもそもの竜族の理想や竜の神様そのものが邪悪だったってことですか?だからアストルティアからみて「奈落」?
向こうで会った竜族が、私にはそんな風には見えなかったけど。
仮に竜族の祖先が邪悪だったとしても、その割りをくらってるのが何も知らないエステラ達の世代なら、
「奈落の門」の向こう側を「奈落」として住民を放置するのは、あまりにも容赦がないと思います。
「アストルティアの住民や悪しき企みをもつ者が、門(の向こうの霊核)に近づかないように」って、敢えて怖い名前をつけたのかもしれませんね。
もしくは「アストルティアを奈落に変えてしまう可能性がある門」という意味かもしれません。
実際、マデサゴーラは門から強大な力を手に入れていれば、
今頃真レンダは大変なことになっていたでしょうし。
でも、もし、
元々は違う名前で、あとから「奈落の門」だと名づけられたのだとしたら。
門の向こうには、何も知らない竜族が大勢いて、
文字通り地獄のような環境での生活を強いられているのを知っていて、その上で門を閉ざして、
「奈落」って名前をつけた誰かがいたとするなら
どんな事情があったにせよひどいと思います。
フレが、「そもそもアンテロが現れなければ門の向こうに行くことなんてなかったはずなんだから」って言ってたのですが、ほんとその通りだと思います。
封印に試練を課したりしたのは「きたるべきときがきたら封印は解かれる」ってことなのかもしれないけど、
アンテロがヒューザとフウラを強引に奪う卑劣がなければ、
ナドラガンドに解放者が訪れることはなかったなんてあまり考えたくない。
それは「女神はアストルティアの子である竜族を見捨てている」と同義だ。ほんとにそうならね。