「どうして一緒に来てくれたの?」
「そいつは……イプセンの言ったセリフだ」
「イプセン……?」
「イプセンってのは本当にいた冒険家でさ、その冒険の話を元に書いた芝居だったと思うんだけど……こんな話なんだ……
イプセンとコリンというふたりの友人がいた
ふたりはトレノの館で働いていた
ある日、イプセンのもとに、手紙が届く
けれどその手紙は雨にぬれたか何かでほとんど読めなかった
かろうじて読めたのは“家に戻れ”ということ
今でこそ、飛空艇があるから移動は楽だけど そんなの、なかった頃の話さ
なぜだかわからないまま
イプセンはひまをもらい旅のしたくをして、旅立った
川を越え山を越え、“霧”を越える旅
モンスターに襲われることがあっても コリンとふたりなら、なんとかなった
こうして幾日かすぎたある日、ふとイプセンが気付いてコリンに聞いたんだ
『おまえ、どうして来たんだ?』
「……コリンはなんて答えたの?」
「 『おまえが行くって言ったからさ』 」