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天星の護りの手

アスカ

[アスカ]

キャラID
: FG906-006
種 族
: 人間
性 別
: 女
職 業
: 旅芸人
レベル
: 133

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アスカの冒険日誌

2020-07-29 21:47:41.0 テーマ:その他

とある蒼天の外伝「第86回~息を合わせて~」

これは蒼天のソウラの二次創作になります。執筆者の
独自解釈などが含まれます。そういった関連の事が苦手な方は
注意が必要です。それでも良い方は進んでください。

ー本編ー

「二人とも目を瞑り、口と鼻を塞ぐんだ!」
突然、ローガとその周りが煙に包まれた。指示に従った
二人は何事もなかったものの、一瞬の間をおいたあと

「目がァ!鼻ガァ!ガアアアアアッ!」
絶叫し、ローガは振ろうとした腕をそのまま顔にあて
腰から地面に落ち、その場で転げ回った。

「いったい誰が…?」

「総司令さん達〜ありがとう!」
デブニが上を向いて、手を振っていた。
倉庫の屋根の上に相手の動向を伺いながら
警戒するマージンとロスウィードの姿が
あった。

「要望通り…色々詰め込んだお手製の催涙爆弾を
投げつけてやったぜ」
「あぁ、相手が猛獣なのは検討がついていたからな」

そうしている間に、息も絶え絶え
周りの状況が把握できないような素振りをするローガ
「オノレェー!こんな劇物を俺にブツケたヤツは
ドコダァァァ!!」
周囲の地面を鋭い爪でえぐったり、拳を握り
振り回して暴れまわり始めた。

そこでマージンから
「下の二人!手製の爆弾の効果はそう長くはない!
決められるなら今の内やってくれー!」
「わかった!…デブニちゃん!一気にたたみかけよ!」
「オッケー!」

掛け合いをした後二人はローガを左右から挟むように
駆け込んでいった。

視界と嗅覚が戻らないまま、一瞬取り乱したが
ローガは仕返しする事を一心に感覚を耳に集中させた

「目と鼻ガ使い物にナラなくとも、音でわかるゾッ!!」

音で二人の動きを探ったのちあたりをつけ、拳を握り
殴りつけた。その拳は、ライティアに向かっていた

「またまた〜どこを殴ってるのかな!」

しかし目も鼻も利いていない見当違いのローガの攻撃は
当たりもせず、ライティアは振る舞われた豪腕の横を駆け、
すぐに両足を踏ん張り、地面を軽く滑りながら、
懐に入り込みツメを光らせる

「ふーーんッ!ヤヤヤアーッ!」

虎の如き素早い連撃は、ローガの表皮の肉を
ズタズタに切り裂いた。
「ウグググッ!……ソコだなぁぁ!?」

うめき声を漏らしたが、痛みをこらえ、攻撃されたあたりに
鋭いツメを開き、そのまま逆の豪腕を振るい、近くにいるで
あろうライティアを払いのけようとする。

「デブニちゃん!コイツ…胸からお腹のあたりが
やっぱり弱いみたいだよ!」

「分かったわ!」

ライティアはローガの攻撃をかわしつつ、距離を取る。
その入れ替わりに今度はデブニが飛び込む。

瞬間的に何種類もかき鳴らされる音を聞き分けながら、
「ソコダッ!」

巨体をグルン横に回し、今度は的確に尾がデブニを捉える。
「当たらないよ!」

鋭くブオンッと横に振るわれる尾の動きを見切り、
側転するように避ける。

相手が次の行動に動く前に、ライティアの言った
弱点の懐に潜り込む。

「はぁぁぁ・・・!弾けなさい!」

拳を握り、大きく息を吸い、腰だめに構え溜め込んだ力を
ローガの体…胸のあたりを狙い叩き込む。

先程以上の鈍い音がした後、まるでメガボンバーが炸裂
したかのような轟音を響かせ、声にならない呻きを上げ
ローガの上半身が持ち上がり、胸から腹までが
無防備状態になった。

「ライ子!最後は任せたよッ!!」

と、攻撃を入れやすいように追撃でローガの体に
目にも止まらない蹴りを打ち込み、最後ドロップキックをし、
飛び退いていった。

強制的に上を向かされたローガの目に、黄金の光が映る。

「イ…いつの間に…!」

「りょーかいッ!」

既に上空にライティアが居り、その体に光を纏い
大の字に大きく開いていた。光は徐々に体を伝って
左右のツメへと流れ込み、長く尖った巨大な爪へと
変化していった。

「ヤ…ヤメロ!」

「これで終わりだよっ!」

落下する勢いに任せ、巨大なツメを振り下ろし
光の軌跡が、その巨躯を容赦なく深々とX字に切り裂いた。

「グアアアアアアッ!!」

凄まじい痛みに、空にも響き渡る叫びを上げ、
そのまま後ろへドサッと倒れた。




ローガが倒れてから少しの静寂を置き、
その一部始終を見ていたロスウィードは
状況から判断をし

「決着がついたな…マージン殿、
厳戒態勢解除の信号弾を」
「ほい、来た」

マージンはその指示を待っていたかのように、

腰のバックから小さな筒を出すと、そこに小さな玉を詰め込み、
点火をし、筒を上空に向けた。間を置いて花火のように小さな玉は
飛び上がり、

バン!と炸裂すると空に白・緑・赤の三色の光が
まるで花開くように描かれた。

続く
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