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天星の護りの手

アスカ

[アスカ]

キャラID
: FG906-006
種 族
: ウェディ
性 別
: 女
職 業
: 魔剣士
レベル
: 132

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アスカの冒険日誌

2020-10-17 21:29:45.0 テーマ:その他

とある蒼天の外伝日常「第2話~古の英雄譚を読んで~」

〜ヴェリナード城〜

純白の清楚な佇まいの廊下。

そこを一人で歩くのは先日、ドワーフの少年が
主体となり、発案された突入作戦の部隊の
副司令を務める事になったウェディの少女”アスカ”

尊敬する人物であるロスウィードの指揮のもと
頑張ろうと意気込んでいたが…。その準備中、
上官は要件があると何かと姿をくらます。

突入する冒険者たちのリスト確認、
作戦に使用する特務艦の点検や物資の発注、
報告書のまとめなど

雑務を彼女が一手に引き受けていた。
「もぅ…あの人は…いつもどこに行ってるんですか…!」

作戦成功のためとは言え、目がまわるほどの仕事の山に
次第にアスカの怒りが大きくなっていた。

そんな彼女の背中を叩く者がいた。
「アスカ〜?」
「なんですか?…私は今、いそがし…」

不機嫌そうに振り返ると、そこには彼女がよく知る
二人がにっこり笑みを浮かべて立っていた。

「リルカお姉ちゃん!それにマイカも!」

嬉しそうに、リルカに飛びつくアスカ。
「おいこら…子どもじゃないんだから飛びつくんじゃないよ」
「だって会うの…久しぶりじゃない?」
「ここじゃ、恥ずかしいよ」

マイカが顔を隠しながら、
往来する他の兵士たちが見ている事を伝える。

「「あ…。」」



作戦の雑務に忙殺されそうになっていたアスカの休息を兼ねて
場所を移し、城内の食堂へと足を運んでいた。

「えっ!お姉ちゃん、今極秘…ぶごふぉふぉのぉー!?」
マイカが大声で驚きそうになるところをアスカとリルカで
口を塞ぐ。周りにいた兵士たちは、一瞬彼女たちに
視線を向けるが、すぐアスカが謝ると散っていった。

「…しかしお前が、そんな大役を任されるなんて凄いな」
「私もびっくりだよ〜。それに”2年前の任務”で出会った
ロスウィード……さんが総司令官を務める作戦なんだ」

リルカは、嬉しそうな笑顔でランチのサンドイッチを
手に取り口に運んで行く。

「ところで、お姉ちゃん。さっきはなんであんなに
忙しそうだったの?」

マイカが聞くと、アスカはぷるぷると肩を震わせ
涙ながらに今の状況を話すと、

「あははっ!そうかそうか…”あの人”ならそうなるか♪」

「えっ…なんでよー」

アスカがプスッと顔を膨らませると、
”こっち話だ。気にするな”とリルカは返す。

「でも…いくら作戦まで間が無いとはいっても、
一人じゃ大変だし、ちゃんと休まないとダメだよ〜」

マイカは心配そうにしながら、近くにあった
大きめの鞄をあさると、中が本が出てくる。

「これ…”古の英雄譚”のお話を誰でも読めるように
解読・編集された。今、城下町の人たちに大人気の本を
貸してあげる♪」

「あ、ありがとう」
アスカは受け取った。食事を一通り食べきったリルカは
マイカが渡した本を見て

「それ…あたしも読んだけど、物凄く面白かったぞ!
休憩の合間にでも読んでみろ」



その夜。作戦の円滑な運用のために用意された
ロスウィードとアスカの執務室。

そこで、ひとりアスカは相変わらず残っていたが
「…○○○ラッシュ!」
と、声を出しながらお仕置きボックスの中にあった
ハリセンを逆手に持ち、一心不乱に振り回していた。

リルカとマイカに勧められ、仕事の合間に読むように
言われた”古の英雄譚”の本。それがとても面白く強く惹かれ、
最後まで読んだ結果の状況だった。

剣と盾を扱い戦う戦士のアスカにとって、
英雄譚の主人公やその師匠の技には、魅力があり
新たな戦士としての道を拓けるのではないか?と
思ったための行動だった。



そう自身の背後に…その状況を一番見られたくない人が
居る事に気づくまでは…。


「……アスカ、キミは一体なにをしているのだ?」
「ひゃいッ!?」

ビクッとし、普段よりも高音な声で返事をし
ごごごご…と後ろを振り返ると、そこには
ロスウィードが腰に手を当て呆れた顔で見ていた。

「ここここ…これふぁ、そのッ!」

「落ち着け、ろれつが全然回ってないぞ。」

今日1日の仕事の状況と事情を話すと、
ロスウィードは納得し、そのまま机に座り
日報をまとめる。

「…あのロスウィード…さん。ど、どこから
みてましたか?」

「うん?…俺は”何も見てない”ぞ?…」

言われるとアスカは安堵のため息をつく

「だが、良い”…○○○ラッシュ!”の掛け声だったな」

ロスウィードがすぐに言うと、アスカの顔は恥ずかしさで
びっくりトマトのようにまた真っ赤になった。

その後、突入作戦開始までの間、ロスウィードが
アスカの秘密特訓に付き合う事になったのは、
また別のお話。

続く
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