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天星の護りの手

アスカ

[アスカ]

キャラID
: FG906-006
種 族
: ウェディ
性 別
: 女
職 業
: 魔剣士
レベル
: 132

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アスカの冒険日誌

2020-12-20 21:15:16.0 テーマ:その他

あなたについていくと決めた日 〜その12〜

蒼天のソウラの共同二次創作になります。執筆者の
独自解釈などが含まれます。そういった関連の事が
苦手な方は注意が必要です。それでも良い方は進んでください。

ー本編ー

一瞬何事かと戸惑うが、見える限りでは負傷している様子もない。

「どうした。何処か痛むのか」

「ち、違うんです! 大尉、すみません… 私、自分が不甲斐無くて…」

その言葉で、アスカが流す涙の理由が何となく分かった。
恐らく、彼女が集めた情報のことだろう。

彼女が見聞きし手帳に記したのは、この村の生活や風土に関するものが多く、
一見すれば行方不明騒動とは無関係と思えてしまっても仕方がないものだ。

だが、そういった些細な情報が調査の足掛かりとなった
事例は決して少なくはない。

そんなわけだから、アスカが集めた情報は内容的には
全く気にすることはないどころか、むしろ
新兵が持つ観察眼としては称賛すべきものだろう。

ここはひとつ、思い切り大袈裟に褒めてやった方が良いのだろうか… 
そんなことを考え、ロスウィードが掛ける言葉を探している間にも、
思い詰めた顔で俯く彼女の瞳からは涙の粒が零れ落ちてゆく。

そして

「大尉。今回の調査が終わったら… 私、軍を辞めようと思ってるんです」



嗚咽混じりにようやく絞り出された言葉。

それを境に、アスカが抱えていたであろう感情が堰を切って溢れ出した。

大切なものを護る盾となりたい。姉や妹に追い付き、並び立ちたい。
その想いを支えにこれまで必死に、人の何倍も頑張って来たこと。

想いとは裏腹に度重なる失敗や、重要な局面での
取り返しのつかないミスを犯してしまったこと。

努力すればするほど。ひたむきに取り組めば取り組むほど空回りを
繰り返す彼女を、ある者は嗤い、ある者は呆れ、ある者は愛想を尽かし… 
気が付けば周りから仲間は消え、独りぼっちになっていたこと。

それまでの失敗やミスを取り戻そうと重ねた頑張りは、
何一つ実を結んでいなかったこと。

腰に提げた細剣を握り締め、胸の内に秘めていた不安と、
悲しみと、後悔を、溢れる涙もそのままに全て吐露する。

やがて… 言葉も、涙も枯れ果てると、アスカは荷物の中から
一通の封書を取り出し、目の前の上官へと差し出した。

「姉にも、妹にも追い付けない… 役に立つ情報一つ集められない
“出来損ない”の兵士は、ヴェリナードに戻っても
どうせ邪魔者扱いされるだけ――

「いや、上出来だ」

その言葉に、アスカは耳を疑った。

「みっともない顔だな。目は泣き腫れているし、鼻水も垂れたままだぞ」

小さな子供にしてやるように… 懐から取り出したハンカチを
アスカの顔へと当ててやる。

上官の言葉の意味がすぐには理解出来ず、アスカはしばし固まってしまう。

――今、この上官は上出来と言った?

――何を以て上出来だと判断したのだろうか。ひょっとして、
 字が綺麗だった? それとも、読みやすく書いてあった?

「どうした? 私は上出来だと言ったんだ。
…細かい情報や住民の会話まで、本当に良く集めてくれた。
ここまで細かな情報収集など、君くらいの新兵がそうそう出来るものではない」

全く予想外の言葉に、ぽかんと口を開いて固まっている
アスカを見て、ロスウィードが再び告げた。

「…うぅっ…ひぐっ… そんな情報、何かの役に… 立つので、しょうか…」

上官に涙と鼻水を拭ってもらうという大失態に気付き、
慌ててハンカチを奪い取ると、今度は自分で顔を拭きながら
恐る恐る尋ねる。

「役に立つかどうか。それはその時になってみないと判らない。…だが、
取りとめのない日常的な情報が結果的に大きな成果に繋がる…なんてのは、
よくあることだ」

それは、これまでアスカが言われて来た“情報の選択”とは異なった考え。

目の前の男にしてみれば、情報とは選択するものではなく、
片っ端から貪欲に掻き集めるものらしい。

「…軍を辞める?辞めない? そんな話はどうでもいい」

つまらなそうに吐き捨てると、ロスウィードは
机の上に置かれた封書を開きもせずに破り… 燭台で
揺らめく炎へとそれを翳した。

「なっ…!?」

続く
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