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天星の護りの手

アスカ

[アスカ]

キャラID
: FG906-006
種 族
: ウェディ
性 別
: 女
職 業
: 魔剣士
レベル
: 132

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アスカの冒険日誌

2021-03-20 16:17:36.0 テーマ:その他

とある蒼天の外伝「第110回~救われし村~」

これは蒼天のソウラの二次創作になります。執筆者の
独自解釈などが含まれます。そういった関連の事が苦手な方は
注意が必要です。それでも良い方は進んでください。
 
ー本編ー
 
マージンがホイミン王と話していた同じ頃、薬師の家で

「この本に従って…尻尾に含まれておる猛毒液に、ウォーター2
樹液1と混ぜ合わせて…丁寧にかき混ぜて………」

本に従い、材料を混ぜ合わせる薬師の手慣れた手さばきを
フツキ達が息を飲んで見守っていると、かき混ぜられていた液体が
突如として光り輝き始めた。

「まぶしっ!」

「おお!まさに本に描かれた絵の通りだ!……”しんぴの霊薬”完成じゃ!」

「これで…ようやく救われるんだな…!」

「おじい様、私…マージンさんや王様を読んでまいります!」

マイカが飛び出していき、それを見送るフツキも嬉しそうな表情を浮かべる。
薬師は完成した液体を丁寧に一つの小さな瓶に注ぎ、コルクで蓋をすると

「ほい、これを”あの子”に持っていきなされ…フツキ殿。」

「しかし…俺も他の方に配らなければ…」

「よいよい、後はわしらやお仲間さんら、王様殿たちで十分に
手が足りる。行ってお上げなさい。」

そういって薬師は、霊薬が入った小さな瓶をフツキに直接手渡した。

「ありがとう…届けにいってきます。」

その言葉にうんうんと、嬉しそうに頷き、家を後にしていくフツキを
見送っていった。

「さぁて〜久しぶりに忙しくなるのぅ」
と呟き、薬師は再び霊薬の制作に取り掛かる。





マイカが村中に、霊薬が出来た事を伝えると
動ける村人、マージンやホイミン王たちが率先して、
薬師の制作を手伝い、薬はどんどんと病にかかっている者たちへ
配れられていった。

忙しい中、マージンはフツキがいない事に気づく。

「おーい先生、そういえば…フッキーはどこへ行ったんだ?」

「フツキ殿なら、”あの子”の元へ行かせましたよ。
そもそもあの少年のために、尽力なさったんだからのぅ〜」

「なるほど…そうだな、あとで俺も顔出しに行くか…」

と、納得していると近くでマイカが瓶が大量に入った箱を
一人で持ち上げようとしていた。

「マージンさん!…ちょっと…手伝って下さい。
瓶が多すぎて…はこべ…」

「お…おい!倒れそうじゃ…って!あぶない!」

マージンが駆け出す。が間に合わないと思った時、横を
サッと抜ける人影が通り、マイカと倒しそうになった箱を支えた。

「ありが…お姉ちゃん!?」

そこにはリルカの姿があった。

「大丈夫か?…遅くなった…調査は無事に終わったよ」

「リルカさんないす…で、”あいつ”は?」

「あぁ調べにいったんだが、あの状況なら負傷してるはず
なんだけど、その痕跡どころか、もう姿も形もなかったよ…」

「なんだって?じゃあ…俺たちが見たあの男…幻かなんかだったと
でも言うのか?」

「わからないな…これはとりあえず、アスカに伝えておくか…」

「幻……まさかね…」
と、マイカはぽつりと呟いた。



薬師の家をあとにしたフツキは少年が今、どこで眠っているかを
村長に訪ね、少年がいる仮設の病室へとやってきていた。

フツキが入ってきたの察知したのか、毛布にくるまっていた
ドワーフの少年が体を起こす。

「エルフの…お兄さん、こんにちは…。しばらく…顔を見せて
くれなくて、寂しかったよ」

話した瞬間、激しく咳をし始める。フツキも驚いて、駆け寄り
背中をさすってあげる。

「ごめんな…キミの病気を治すために、あっちこっち出かけていたんだ」

「そうなんだ…それで、薬…出来たの?」

少年が尋ねると、手に持っていた瓶をフツキは差し出して見せる。

「あぁ…薬師の先生から、出来た薬はちゃんともらってきた。準備するから
待ってくれ。」

そう話して、フツキは少年が寝ているベットの隣にあった台に
置かれていたコップを取り、そこへ瓶に入っていた霊薬を注ぎいれる。

「よし、さぁ…これを飲んでくれ。」

「あ…ありがとう…いただきます…」

フツキからコップを受け取り、少年はそれを少しずつ
ゴクッゴクッ…と飲んでいき、それを飲み切る。

「うぐ…ちょっと甘いかなと思ったら…あとから苦いよー
………ん?」

霊薬の味について、話しだした瞬間…フツキが薬師の家で見た
ものと同じように、少年の体全体が強く光り、体中から紫の
霧のようなものが吹き出し…光に包まれ浄化されるように
消え去っていった。

続く
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