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天星の護りの手

アスカ

[アスカ]

キャラID
: FG906-006
種 族
: ウェディ
性 別
: 女
職 業
: 魔剣士
レベル
: 132

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アスカの冒険日誌

2023-04-22 19:39:58.0 2023-04-23 11:52:40.0テーマ:その他

三姉妹の小さな物語05『夢見た未来は、”あらゆるもの”を超えて』

私は『マイカ=バンデ・ヒルフェ』

たった一人でアストルティアの世界を旅する
かつては”踊る魔術師(タンツェンウィザード)”と
人に呼ばれた事もある魔法使いだ。

私は…世界の歴史や文化をより深く知るため、
自分の魔法を高めるために


ーーー【枠を超えた】


背格好は、かつての出会った事のあるニコロイ王様やヒメア様に
近いくらいに成長したけど、心は”あの頃”から変わらない。

私は師匠が持っていた本に載っていた”とある魔法の儀式”を
自分にかけ、永い時を生き渡り歩く存在になった。

もちろん辞める事も出来た。姉たちにも止められた。
二人にも、何度も事情と覚悟を伝え、最後に三人で
絶対に忘れてはいけない約束をして、私は”やる”と決めた。

時間がないと出来ない事もたくさんあったから
とにかく時間も欲しかった。

そうして時は、1ヶ月・半年・1年・10年・30年
そして100年…と気が遠くなるような時間が過ぎていった。

一番辛かったのは、家族…姉妹との永遠の別れ。
未来永劫忘れないように、二人から武器を形見にもらった。
儀式で強くなった自分の体を十全に活かして、出来る範囲で
二人の技術や技を継承した。

そうして旅を続けて気がついたら、バンデクス島にあった家は消え
別の何かに。『バンデ・ヒルフェ』って言う名前や意味も
私だけが持つものになった。

研究を続けながら冒険者を続けていたから、その人間関係は
消えなかったけど、家族は…もう居ないんだ。

そうか…これが私が好奇心と向上心と引き換えた”代償”なんだ。

元は寂しがり屋の自分が、なんて言う事しちゃったんだろう。
あぁ…戻れるなら、戻りたい。でも

「お姉ちゃん達と約束したんだ。…………って!」











「イヤァァァ!!」

バンデクス島にある屋敷に、深夜にもかかわらず耳に突き刺さるような
少女の叫びが轟く。その声に隣の部屋や下の階から、急ぐ足音がドタドタが
声の主の元へやって来た。

「どうしたぁ!?」

リルカとアスカが扉を強く開け、やって来た。そこには
ベットのシーツを蹴り上げ、その上で身を震わせボロボロと
大粒の涙を流しているマイカの姿があった。

「な、なんで泣いているの?」

「凄く…怖い夢見た。お姉ちゃん達が先に逝って…私が
ひとりぼっちになる夢」

突拍子もない事を言い出すマイカに姉の二人は首を傾げて
理解が出来てない様子だった。すると後ろから

「あらあら…それはとても怖い夢を見たのね…」

マーテが優しい言葉をかけながら、部屋へ入ってきて
泣き続けるマイカの横に座り、その肩を優しく触れる。

「じゃあ覚えている範囲で良いわ。その夢の中身、
お養母さんたちに聞かせてくれる?」

マーテが言うと、マイカは自分が見た夢をゆっくりと
話していく。そばに居た三人は、その話をウンウンと
聞きながら、なだめるように安心できるように気遣った。

そうしてしばらくすると、徐々に落ち着いて来たのか
話す言葉が途切れ途切れになっていき、そしてマイカは
小さな寝息を立てながら、マーテにもたれかかり眠った。

「…眠っちゃった」

「安心できたんだな…」

「シィー…それじゃあマイカが起きないように、私と一緒に
ゆぅーくりと部屋を出ていきましょう」



養母と姉二人は、妹に急に起こされたのもあってか
すぐには寝られずに一階のダイニングに居た。

二階から降りてきたタイミングで同じく起きていた
メイド長のユウナが温かい牛乳を人数分用意していた。

「夜遅くにありがとう…ユウナさん」

「いえいえ、マイカお嬢様が安心して寝付けてよかったです」

「さっきの話さ…荒唐無稽だったけど、やけに現実味がある話だった」

「うん、確かに一人ぼっちになるのはイヤ」

そうして話していると、マーテは

「私が知っている方に、永い時を生きている賢者様が居るの」

「え…それってまさか」

「そう、永い時を生きる”何らかの手段や魔法”はこの世に存在している。
だから、あなた達の妹が”そうなる可能性がゼロ”では無いの、忘れないで」

「……そんな時、来て欲しく無いかな。……って、え?
どうしたのリルカお姉ちゃん」

アスカが言った時、リルカは何者かの気配を感じたのか、外へと
足早に出ていく。屋敷から外へ出ると、それはまるで最初から
なかったように消えていた。

「どうしたのリルカ?」

「ううん、誰かに家を覗かれている気がしたんだ」

「あら怖い…明日、衛兵さんに頼んで屋敷周辺の警備お願いしようかな?」








ーーーさすがお姉ちゃん、危ない危ない。でもこの”此処”は
大丈夫そうだね。さて、次の”世界”へ行こうかな?
同じにならないでね?ーー”幼い私”

〜おしまい〜
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