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天星の護りの手

アスカ

[アスカ]

キャラID
: FG906-006
種 族
: ウェディ
性 別
: 女
職 業
: 魔剣士
レベル
: 132

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アスカの冒険日誌

2023-10-29 21:00:55.0 テーマ:その他

三姉妹の小さな物語07「可能性を視る者」

私は永い時を渡る存在となり、これまでたくさんの
”可能性を視て”来た。

ーーーー自身の心を失い、悪としらずに手先となりその身を削る
”道具となった者”

ーーーー深い憎しみと絶望に心身を焼き、いつしか意味を見失い
”化け物となった者”


どれも私が一番良く知る”家族”のあり得たかもしれない
枝分かれした可能性の姿。でも手を出す事は出来ない。

手を加えてしまうという事は、”私たち姉妹”を取り巻く
因果に 流れ行く時間と運命に影響を与えてしまう。
だから基本的に”視る”事しか私には出来ない。

重要な選択を正しい道へ導くほんの少しきっかけを
与える事はしても、私自身が直接事象を書き換えてしまう
レベルの行動は避けなくてはならない。

しかし、”私が賭けている未来”を良い方向へ持っていく
手がかりは、”別の時代”隠されている事も確かだった。



とある小さな廃村。そこに一人の魔女らしき女性が来ていた。
夜闇を明るく一瞬だけ耳を甲高く刺激する雷が鳴り、
身を震えさせる程に冷たい強く打ち付ける雨。

並みの者なら近づかないであろう雰囲気を漂わせている
廃村に魔女は、一切もの怖じせずに踏み込んでいく。

ゆっくりとぬかるんだ地面を1歩1歩踏みしめながら、
観察していく。何があったのかを。

そこには生活感が残っており、つい数日まで
村人が居た事が伺い知れた。……しかしその人影はもう無い。

形は残っている家屋もあるものの、壁には
穴がちらほらとあり、中には原型を留めていない
ものまであった。

そして何より廃村の異常さを象徴しているもの。それは
”朱い何か”が家屋のそこらじゅうにベットリ着いていた事だ。

それが垣間見れた辺りからより一層、異常な光景が
広がりだした。地面のぬかるみに人が倒れていた。
しかも一人では済まない数だった。

”虐殺”…と言っても差し障りがない。だが、魔女は
人がやったものでもなく、ましてや魔物がやった事とも
思わなかった。人の骸”むくろ”を避けて歩き、少しした所で
歩みが止まった。


「そこで何をしてるのかしら?」


魔女は不敵な笑みを浮かべ、言葉を発する。
その眼前には血肉を喰らう存在が居た。しかし
声をかけられた事に気づいていないようだ。一心不乱に
自身の飢えを満たすためか喰らい続けていた。

魔女はため息をつき
「無視…。じゃあこう…かな?」

右手の人差し指と中指を差し出す。
すると、雨が降っている事を忘れてしまう程に
強く炎が燃え上がり、丸まり火球が出来上がった。

それを血肉を喰らう存在の目先に見えるように
打ち出し、吹き飛ばす爆音で脅かした。ビクッとし
状況を把握しようとキョロキョロし、気配で
魔女を認知したのか、後ろを振り返った。

「ようやく気づいたね…。さて、ここで
何をしているのかしら?……”鬼さん”?」

「何者ダ…オ前は…?」

見た目は頭と肩の角が特徴的なオーガに見えたが、肌が浅黒く、
角も尖っていた。敵意をむき出しに睨みつける眼光も口から
見える鋭い歯も普通のオーガのものでは無くもはや”鬼”と
呼べるものだった。

さらにその手には、朱く刀身が染まった太刀が握られている。

「ふふ…私は、研究を生業にしている”冒険者”だよ♪…でも
ここにこわーーい”鬼”が居るって町で聞いて来てみたの♪」

「クダラナイ御託ダ…オ前モ”アタシ”ヲ、狩リニ来タンダロウ?
…アタシノ邪魔ヲスル奴ハ、……”ミナゴロシ”ダァ!!」

太刀を振り上げ、鬼は魔女に斬りかかる。

「ふーん、冷たいなぁ〜」

魔女はその場から、動かず指をパチンッと鳴らすと
鬼が持つものと似た太刀…朱い何かで汚れていない
美しい刀身の刀が姿を表しそれを握ると、鬼の攻撃を受け止めた。

「ナニィ…!?」


ーーーー忘れないで、貴女にも幸せな道が有った事を


「コレハ…ナンダ!?」

突然自身の頭に幻聴を響いた鬼は怯んだ。

「風よ吹け…”バギマ”ッ!」

魔女は、呪文を唱え鬼を近くの家屋に吹き飛ばした。
ガラガラと音を鳴らし、鬼は瓦礫に埋まった。


ーーーーもう苦しまなくて良いよ


「頭ニ響ク…コノ声は…なんダ…。」

鬼は、瓦礫を掻き分け出てくる。そこへ魔女が歩いてきた。

「私は…”貴女”を救いに来たの。鬼さんがよかったら…
その心の中の悲しみ、私に”預けてくれない”?」

笑顔を見せ、手を差し伸べた。

「何を…言っテ、いる…。お前ハ…一体何者なんだ?」

鬼は魔女に問いかけた。いつの間にか雨は上がり
曇天の隙間から、光が差し込んで来た。

「ふふ…私は、あらゆる可能性を視る者…数多の時代と
次元を旅する冒険者…。でも人に名乗るなら…」






ーーーーーー私は【時渡りの魔女】かな

〜おしまい〜
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