※蒼天のソウラの二次創作です。実際のキャラの
掛け合いなどに違いがあるかもしれません。
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ピアスの稼働に問題がない事が確認出来た
マイカは次の段階に移っていた。
「ピアスが大丈夫なら…次にするのは”機能を開放する方法”。
今は、個別に切り替えとか細かい設定や準備をしてる場合
じゃないし、開放したとしてもお姉ちゃん達側が
分からないと、いけないから…」
そうぶつぶつ言いながら、本を置いていた机に
乗っていたものを急いでどかしていく。そして、棚から
白のチョークを取り出すと、記号や文字、模様からなる
魔法陣を机に直接描き始める。
「マイカちゃん、何をするの?」
マーテが心配そうに声をかける。
「お養母さん、今からね…私のピアスに”機能”を
さらに2つ追加するの」
マイカは、陣を書いていない手で2の数をマーテに向かって
示し、その手を宙に浮いているディスプレイに滑らす。
「本来の想定だと、丁寧に術式を組んだり、書き足しをしたり
しないといけないから…こんな強引な事をすると…この戦いが
終わった後で絶対にメンテナンスしないといけなくなるけど…」
話しながら、魔法陣を書き続け、ディスプレイの操作も
同時進行で進めていく。マーテはそれに圧倒されながらも
真剣な眼差しで見つめる。
「まず”遠隔操作機能”。私のピアスは、一応お姉ちゃん達のより
上位の操作権限を持っていて、他のピアスを操作できるから、
この機能を拡張して、思念通信圏内に居れば操作出来るように
改良する!これで…機能を全開放する!」
と言うと、一つの魔法陣が綺麗に描き上がっていた。そして
マイカは更に手を止めずに、ディスプレイにも目を配りながら
その外周に少し大きく別の魔法陣を描き始める。
「最後。2つ目は、”強制通信機能”。元々は、自分が話したい
相手を呼びながら通信する機能で、相手がそれに対して応じれないと
話す事が出来ない仕組みになってる。それを今回、相手が何かあって
応じれなくても声だけを届ける様に改良する。これでぇ…完成ッ!」
凄まじい速さで魔法陣を描ききったマイカ。そして仕上がった
魔法陣の中心に、両耳からピアスを外して置いた。
「後はディスプレイ側で、正しく機能が認知されるのを確認…よし!
それで改良に必要な魔力を私から供給すれば、これでおわ…」
ドカーーーンッ!!!!
突然大きな爆音が、大広場の方から響き、その余波である
爆風が屋敷の窓を揺らした。
「何!?今のは!?」
マイカとマーテがびっくりしていると、下の階から
ドタドタとユウナが駆け足で部屋にやって来た。
「大広場中央…階段に張っていたバリケードが破られました!!」
と、二人に告げる。するとマーテはとっさに
「マイカちゃん!すぐに防衛に出て頂戴!」
「えっ!?…でも!」
「中央が破られたという事は、相手の大将格が前線まで
来たという事、あの広場で今一番戦えるのは、貴女だけよ
マイカちゃん…ピアスはお養母さんに任せて!」
☆
大広場中央の階段は、港と屋敷を広く繋いでおり
襲撃を受けた場合、一番強固に守らなくてはならない部分となっている。
そのため、バリケードも他の比にならない程に強く作ったはず
しかし、それは無惨にも破られてしまっていた。破られた
バリケードからは魔物達がなだれ込み、大広場も
他の広場と同様に戦火が広がり始めていた。
その様子を優雅に、楽しそうな笑みを浮かべながら、大玉に乗り
ユラユラと飛びながらフィアは眺めていた。
「クフフ…硬い防壁を破るのに少々手間取っちゃったけど、近道出来たわね」
すると、ふよふよと黒いモーモンが近づくように飛んでくる。
「フィア様ぁ〜この後どうしましょうか?」
「そうねぇ〜ここが最終防衛ラインのはず……ならこのままココを
占拠しちゃおうっか♪…私達の邪魔する者にはキツイお仕置きして
黙ってもらっちゃいなさい♪」
「はぁ〜い♪」
指示を受け取り、モーモンはそのまま前線へ伝達するために
向かっていった。フィアは戦況と大広場の構造を見ながら、
「あら?ここは、始めに上陸した場所と似た構造なのね。
じゃあ”左右を塞いでしまえば”…ここにいる奴らに逃げ道は無くなるわね♪」
そう思い至ったフィアは、両手を自分の前に据える。そして
手を大きく開くとボウッ!と巨大な火球が2つ両手に出来上がった。
「ふふ、ここを落として…私の計画の邪魔をした子たちの”大切なもの”を
奪ってやれば、復讐が完遂するわ!……さぁ絶望への1手よ!!
壊れちゃいなさい!」
そう高らかに言い放つと、火球を大広場の左、右とそれぞれ家屋を
狙って投げつけた!
〜続く〜