※蒼天のソウラの二次創作です。実際のキャラの
掛け合いなどに違いがあるかもしれません。
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(大広場が恐怖に包まれた少し前)
リルカとリランザが対峙している広場。
防戦に徹する事を決めたリルカは、目にも止まらない
速さで放たれる二本のムチの猛攻を捌いていたが
「もらったわ…!」
リランザのムチが突如、リルカの持つ太刀の刀身を
ついに捕え、絡め取り手から奪い去り、遠くへ投げ
飛ばしてしまった。
「クソッ…!あたしの武器を…!」
直後に、別のムチでリルカの左手を今度は絡め取る。
「捕まえた…!さぁ姉さんが、大広場で待ってるから…
そろそろジ・エンドよッ!」
太刀を投げ飛ばしたムチを勢いよくしならせて、
リルカの胴へ打った。
ムチの乾いた音とともに激しい激痛が彼女の体に走る!
打たれた箇所以外にも衝撃として伝わり、大きな
ダメージとして広がっていく。並の冒険者であれば、
一瞬で意識を手放してしまうかもしれない。
しかしリルカは、唸り声をもらし苦悶の表情を
浮かべながらも歯を食いしばり、両足を踏みしめ耐えた。
「……ま…けるかぁッ!」
「ふーん、結構強めに叩き込んだのに耐えちゃうのね。
気絶でもしていれば、楽なものなのにねッ!」
リランザは、ムチを今度は連続で叩き込み始めた。
先程の胴に加えて、あらゆる場所を乱暴に暴力的に
叩き込み続ける。
(…ウグッ、これ以上アイツの好きにさせたら、
あたしがもたない…!こうなったら一か八か…!)
「もう限界なんじゃない?…諦めないと、知らないよ?
……ん?」
と、リランザのムチの連撃が急に止まった。何かに
引っかかる様だった。だが、すぐに理由が判明する。
攻撃が止まった理由、それはリルカがムチを右手で
掴み握って止めていたのだった!
「…ふふ、どうだ?お前の攻撃、止めて上げたよ…!」
「やるじゃない…。でも、ムチを握った選択は”間違い”だよっ!!」
リランザは、両手を同時に上へ大きく高く上げた。それに
合わせて2本のムチは、強く大きく上へしなりリルカの体ごと
空へ投げ上げた。
「しまっ…!」
「そろそろ終わりにしてあげるわ!」
リランザは、2本のムチをそのまま大きく弧を描く様に
振り回す。何周にも渡って回した。
(うぅぅぅ、これは…!ダメだ、手の力がぬけ…!)
振り回される状況下、それに体力も気力も限界に近づいてた
リルカでは耐える事が出来ず、ムチを握っていた右手から
力が抜け、同時に左手を絡め取っていたムチも外れる。
そして化け物じみた力で振り回され、その勢いのままに
彼女の体は、強い遠心力で投げ出され広場にあった
木箱の山に飛び込んでしまった。
ガラガラと大きな音をたて、バラバラになった
木片と煙で状況が伺えなくなる。
「ふぅ…気安く私のムチを掴まないでほしいねぇ…。」
リランザは、その様子を横目に2本のムチを束ねなおし、
表面についたものを拭い、そのままリルカが投げ込まれた
木箱の山へ歩いて行く。
「”ドルクマ”ッ!」
大きめの闇の塊がリライザの前に撃ち込まれ、炸裂し
進行を妨げた。この状況で立ち上がる者を予測して
なかったリランザは、少し驚きながら飛んできた方へ
視界をやると
「待て…!…これ以上、あたいの妹分を痛めつけるのは
許さないぞ…!」
そこには、肩で息をしながら左腕をだらんとさせたまま
右手で剣を持ち、その先をリランザに向けているエミカの姿があった。
「……そんな姿でよく出てきたわね?さっき、私のムチに反応
出来なかった人がこれから何をしてくれるのかな?」
挑発をする。エミカはそれを真に受けず剣先を
リランザに向けながら、リルカが投げ込まれた
木箱の山の前に立った。
「リルカ…!生きてるか!?」
エミカは正面を向いたまま、問いかけをする。
少しの間、静寂が流れるが彼女から返事は無かった。
「ヌフフ…!ここに来て、仲間の心配なのね」
「うるさい!…まだあたい達は”お前を倒す事”を諦めて
ないからなッ!」
「そ・れ・は、嬉しいねっ!!」
(直線…!予想通りか…!)
リランザは、ムチを取りエミカに高速で打ち込んだ!
エミカは剣の腹を自分の前に突き出し、ムチの一撃を受け止めた。
しかし力では完全に押し負けてしまい、木箱の山へ吹き飛ばされる。
だが、それと入れ替わりで”模様”が書かれた木箱がリランザの方へ
投げ込まれ、エミカは柔らかいものに受け止められた。
(木箱の山から、木箱が飛んできた!?…だけど
これくらい砕けるわ!)
リランザは、ムチを振るい木箱を粉砕する!その瞬間、
白い粉の様な物が彼女に覆いかぶさる様に降り注いだ。
「な…何よこれッ!」
〜続く〜