(前回までのあらすじ)
悪魔道化師ゲイザーはかつてのポルファンの弟子……
旅芸人としての兄弟子とも言える存在だった!
力だけを求め、弱者を踏みにじるゲイザー。
ホーリンは弟弟子として、ゲイザーを止めるべくプーラの洞穴へ向かったのだった。
洞穴の壁に、プクリポの青年の悲鳴が木霊する。
「芸で得られる“よろこび”なんてまやかしだぜ。
覚えとけ。芸はなんの役にも立たねえんだよ。」
ゲイザーは倒れた青年に吐き捨てる。
「ゲイザーーッ!」
「……へへ。誰かと思ったらホーリンか。
会いたかったぜ、とーってもな。」
……また、目の前で旅芸人が殺されてしまった。
彼もまた、師匠と同じ、“かたりべの服”を着ていた。
かたりべの服はレベル35装備。
まだ耐性もなく、十分なスキルも身につけていなかったの可能性も高い……
なのにこいつはあっさりと、同じ旅芸人である仲間を、その手に掛けたのだ。
許さない……! ゲイザー、お前だけは……!
僕は棍を構え、感情のままにゲイザーと激突する。
「ゲイザー! お前だってかつては、
同じように旅芸人として修行をしていたはずだろう……?
なのに、何故だ……!」
「ポルファンの元で修行してるってことは
お前もご立派な教えに共感してるんだろ?
“芸は人を救える”ってアレだよ。」
ゲイザーは、先ほど旅芸人の青年を殺したのと同じ構えを取る――
あれは……!
「……ハンッ、クソが! イライラさせやがる!
どいつもこいつも甘ちゃんでヘドが出るぜ!」
――つるぎの舞……!?
踊り子の「おどり」130スキル。
4回連続で斬りつける恐ろしい特技だ。
なぜ、旅芸人のこいつがこの技を……!?
ゲイザーは口の端をニヤリと歪めた。
「オレは、芸の無力さに絶望し
闇芸人ルルルリーチ様に尽くすと決めたのだ!」
無数の斬撃が襲いかかってくる……!
(第8話に続く)
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