いっけなーい! バイシバイシ!
私、ホリリリーチ。
どこにでもいるごく普通の闇芸人。
でもある日、ひょんなことから旅芸人を殺すことになっちゃった!
一体私、これからどうなっちゃうの~~~!?
――闇芸人になってからの毎日は、ごくごく平穏に過ぎていった。
私はごく普通の冒険者を装いながら、
時に闇芸人として活動する。
旅芸人への憎悪は胸の中でくすぶり続け、
衝動が私に、旅芸人を害させるのだ。
たとえば。
ジュレットの街で旅芸人がナンパに成功しかけた時、
私は耳元でささやくのだ。
「そこの旅芸人のあなた。……その子“おじ”ですよ」
いくつものカップルを破局に導いて差し上げた。
たとえば。
大陸の片隅、初心者が旅立つ村へ行き、
旅芸人がいたら応援してあげながら、
「りょう・て・けん! りょう・て・けん!
じ・だ・い・は・りょう・て・けん! イェーー!」
(※応援の音に合わせて口ずさんでください)
初心者に両手剣の素晴らしさを教えて差し上げた。
たとえば。
カジノのすごろくで、全員旅芸人で最後までと約束をして始めて、
「私が素直に旅芸人をやると思った? 残念! 闇芸人!!」
最初のダーマ神殿でいきなり転職して差し上げた。
たとえば。
コロシアムで最初から最後までボケ倒して、
「旅芸人がいたら勝てませんよおおおおおお! さあ殺せぇぇぇぇぇ!」
私が所属する側を敗北に導いて差し上げた。
当然、私自身もボッコボコにされるわけだが……些事である。
闇芸人の暗躍は今日も続いている!
全ての旅芸人が滅びるその日まで!
戦い続けるのだ! 闇芸人ホーリン!!
………あれ? いいのかこんなんで?
(第8章に続く)
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