いつもイロハ水族館をご愛顧いただきありがとうございます。
本日は、面白い生態をもつブロブフィッシュを紹介します。
写真:ブロブフィッシュ(キングサイズ)
ブロブフィッシュは、「ぶよぶよした魚」という意味で、「ニュウドウカジカ」とも呼ばれる深海魚です。
その見た目は、名前どおり、ぶよぶよしたピンク色で、全身が醜く垂れ下がり、顔は丸い大きな鼻を持つおじさんのようです。
その見た目が評価(?)され、イギリスの「醜い動物保存協会」が開催した「世界で最も醜い生き物コンテスト」で、なんと!優勝!!!しています。
醜い!ブサイク!キモい!ということで、メディアで取り上げられるようになり、じわじわと人気が出ています。
しかし!このブサイク魚、実は大変不名誉な言われようなのです。
というのも、ブロブフィッシュ、深海では全く違う姿をしています。
全体的にシュッとして、ナマズかオタマジャクシのようなフォルム。岩のような灰色の身体に小さなイボイボが無数にあります。
ではなぜ私たちが目にするブロブフィッシュは、あんなにも醜く、ぶよぶよ、ドロドロと垂れ下がった見た目をしているのでしょうか?
【以下、若干のグロ注意です。】
それは、水圧によるものです。深海魚は、強い水圧の中で生活しています。
逆に、急に水揚げされると、その圧力の違いにより全身が膨張してしまいます。
我々が見ているあの姿は、圧力差による膨張と、網で皮膚がこすれた結果、全身の皮膚がはがれて肉が露出してしまった姿なのです。
そして、もともと筋肉が少ない柔らかな身体は、地上の重力に耐えられず、どろどろと垂れ下がってしまうのです。
かわいそうですね。
というわけで、深海魚を見るときは、地上での姿だけでなく、深海ではどんな姿をしているかを調べてあげると良いかもしれません。
イロハ水族館では、今後も増改築、展示の入れ替え、お魚生態紹介記事の投稿、イベント企画などを行っていきます。
変わらぬご愛顧をお願いいたします。