いつもイロハ水族館をご愛顧いただきありがとうございます。
この度、大変奇妙な生態をもつコウモリダコ(キングサイズ)が水揚げされましたので、本館にて展示・解説します。
この度水揚げされた個体(キングサイズ40cm)
〜生息地〜
熱帯・温帯の約600m〜900mの深海に生息します。このあたりは酸素極小層と呼ばれ、酸素が表層の数%しかありません。
ではコウモリダコはこの過酷な環境にどう適応したのでしょうか?
答えは血液です。コウモリダコの血液の酸素を運ぶ能力は、普通の生き物の5倍!少ない酸素を効率よく活用することで生き抜いているのです。
〜イカでもタコでもない?!生きた化石〜
学名は「地獄の吸血イカ」の意味ですが、分類上はタコでもイカでもありません。
なんと!8本足のタコと10本足のイカに分かれる前の生物の子孫です。
その姿は1億数千万年前の恐竜の時代からほとんど変わっていないと言われています。
〜残りの2本の足の秘密〜
見た目はどう見ても8本足で、タコのように見えます。では残りの2本はどこに??
コウモリダコは、足とは違う2本のフィラメント(糸状触手)を持ちます。これが、残り2本の正体です。
コウモリダコは、この糸状触手を伸ばして獲物を探します。
主な食料は、マリンスノー(プランクトンの死骸など)と言われています。
※「吸血鬼」のように吸血することはありません。
〜光とトゲで撹乱?!驚きの防御術!〜
コウモリダコの防御術も大変奇妙です。
コウモリダコの足にはマントのようなヒレが貼られており、それを広げた姿はまさに学名「吸血鬼」のようですが、このマントの裏には、無数のトゲがあります。
また発光器をもつため、自らの身体から光を放つことができます。
外敵に襲われた時には、マントのトゲで身を包み、光を巧みに操り敵を撹乱し、身を守ります。
深海にはまだまだ我々の知らない面白い生態を持った生物が沢山います。時には深海の神秘に思いを馳せてみても良いかもしれません。
イロハ水族館では、今後も増改築、展示の入れ替え、生態解説日誌の投稿、各種企画などを行っていきます。変わらぬご愛顧をお願いいたします。
〜〜お魚好きの方、ぜひお越しください〜〜
イロハ水族館
本館 ジュレ13981うるわし3番地
和風館 同1番地
世界の気候館 同2番地
※ご連絡くださればお招きのつばさ差し上げます。
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