いつもイロハ水族館をご愛顧いただきありがとうございます。
今回は辰年企画展で展示中のリーフシードラゴンの生態をご紹介します。
【概要】
・リーフシードラゴンは、正確にはリーフィーシードラゴンといいます。
・その見た目はとても魚には見えませんが、トゲウオ目ヨウジウオ科に属するれっきとした海水魚です。以前紹介したタツノオトシゴも同じ仲間でしたね。
・体長は20〜40cmほどです。
・オーストラリア南〜南西部の沿岸にのみ生息します。現地では非常に親しまれ、手厚く保護されています。
・詳しい生態はまだわかっていません。
【カムフラージュの達人!】
・リーフシードラゴンはまさにカムフラージュの達人!特徴的なその姿は、まるで漂う海藻そのものです。
Q.海藻のような突起の正体はなに??
・全身から伸びる海藻のような突起、なにでできているのでしょうか?ヒレ?エラ?
・答えは皮膚です!皮膚が変化したものなので「皮弁(ひべん)」と言います。ヒレではないので、泳ぎに使うことはできません。
Q.では本当のヒレは?
・本当のヒレは、背中に背びれ、頭の後ろに左右の胸びれをもっています。
・いずれも小さく、素早く泳ぐことはできません。しかし、ゆっくりと泳ぎ、巧みに旋回し、完全に海藻のように振る舞うのです!
【ハンティングは一瞬!!】
・リーフシードラゴンの食事は一瞬です。
・口は前方に長く伸びており、これを吻(ふん)と言います。
・海藻のようにゆらゆらと漂いながら、吻を獲物にゆっくり近づけて……一瞬で吸い込みます!
・肉食で、小さな甲殻類などを食べます。
【オスが卵を守る!】
・タツノオトシゴがそうだったように、リーフシードラゴンも、オスが卵を守ります。
・復習ですが、タツノオトシゴのオスは、カンガルーのように袋に卵を入れて稚魚まで育てるんでしたね。
(この袋を育児嚢(いくじのう)と言います。)
・しかし、リーフシードラゴンの育児嚢は、袋状にはなっておらず、外から卵がまる見えです!
Q.卵がまる見えだと危ないのでは?!
・大丈夫です。さすがカムフラージュの達人。卵にもカムフラージュを施します。
・なんと!卵に藻を生やしてカムフラージュするのです!
Q.それでも敵に見つかったら?
・身体の側面には白いトゲがあります。このトゲを相手に見せつけて威嚇し、それでもダメなら、トゲで攻撃します。
【実物を見ることはできない…?】
・リーフシードラゴンはストレスにとても弱く、飼育が非常に難しいです。
・例えば、カメラのフラッシュはもちろん、展示のための照明や光の点滅だけでもストレスを感じます。
・2010年代までは日本国内の水族館で展示されたことがありますが、様々な飼育条件を生息地の環境に近づけても、繁殖には至りませんでした。
・現在は国内に展示している水族館はありません。
・IUCNレッドリストでは、低危険種に指定されています。※準絶滅危惧種とするサイトもありますが、IUCN公式サイトの情報を採用しました。
【実物を見てみよう!】
・日本国内で見られないなら、アストルティアで見ることにしましょう!
(先程の写真をもう一度見てみましょう!!)
・注目はやはり、子供を守り育てる育児嚢と、体側のトゲでしょうか。
……こ、これは……
作り込みが甘いですね(笑)
育児嚢も体側のトゲもありません…。
見たかったですね。
さて、長文になりましたがお付き合いいただきありがとうございました。
イロハ水族館では、今後も増改築、展示の入れ替え、生態解説日誌の投稿、各種企画などを行っていきます。変わらぬご愛顧をお願いいたします。
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イロハ水族館は令和6年3月13日(水)に開館2周年を迎えます!
16日からの記念祭もお楽しみに!
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イロハ水族館
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