私がこれまでの人生で「すごいなぁ」と感じた技術革新、つまりブレイクスルーの中で、特に印象深いのは中学1年生のときのことです。地元に新しくオープンしたエイデンという電気店で、初めてインターネットに触れた経験がありました。
当時はゲームの攻略情報や新しい知識を手に入れるためには、雑誌や攻略本に頼るしかなかった時代です。もしくは、クラスメートや友人、兄弟から教えてもらうくらいしか方法がありませんでした。
そのエイデンの店内には「お試しコーナー」が設置されていて、そこで初めてインターネットを使ってみたのですが、そのときの衝撃は今でも忘れられません。驚いたのは、いままで情報を得るために苦労していたのに、インターネットを通じて瞬時に知りたいことがわかるというその利便性でした。

当時の攻略本は、今のように親切な内容ではなく、ヒントが書かれている程度で、詳細な情報はほとんどありませんでした。マップは掲載されていましたが、次に何をすればいいのかといった具体的な手順までは記載されていません。そのため、攻略本を見ながらでもゲームが途中で進まなくなることがよくありました。
しかし、インターネットには、それこそ「ネタバレ」と言ってもいいほど、詳細に情報が載っていたのです。
ただし、当時のインターネットはまだまだ発展途上で、コンテンツも限られていました。私が初めて使った頃は、掲示板や個人が運営するホームページが主流で、今のような専門的な攻略サイトはほとんどありませんでした。
その後、個人が趣味で作った攻略サイトが少しずつ増えてきたものの、今のように業者が営利目的で作る攻略サイトはまだなかった時代です。
特に印象に残っているのは、初めてインターネットで「ファイナルファンタジー4」の攻略方法を掲示板で質問し、その回答をもらったときのことです。その記憶は今でも鮮明です。
そして、ちょうどそのエイデンができた年に「ドラゴンクエストVII」が発売されました。このゲームでは「石版」を集める必要があったのですが、その場所がわからなくてゲームが進められなくなってしまいました。
しかし、インターネットのおかげで石版の場所を知ることができ、そのときの感動は今でも忘れられません。

私が子供だった頃、ウィンドウズ95が発売されましたが、当時はまだパソコンやインターネットには全く触れていませんでした。小学校にはパソコンがあり、時々パソコンを触る時間もありましたが、その時間にできるのはチェスやポーカー、将棋、アリーナなどのゲームを遊ぶ程度でした。インターネットを使う機会はありませんでした。
ちょうどその頃、小学5年生くらいのときに「ポケットモンスター」が登場したことを覚えています。ゲーム内には裏技がいくつかあり、その中でもバグ技を使って、1回の戦闘でポケモンを一気にレベル100にできる裏技が存在していました。
当時はまだインターネットが普及していない時代だったため、このような裏技の情報はクラスメイトや兄弟、あるいは塾などで少しずつ広まっていきました。学年や学区を超えて裏技が伝わるそのスピードを目の当たりにし、子供ながらに驚いたものです。
振り返ってみると、インターネットがない世界とある世界の違いを身をもって体験できた自分たちは、デジタルとアナログの過渡期を経験した貴重な世代だったのだと感じます。当時の情報が広まる熱量や高揚感は、きっともう再び味わうことはないでしょう。
例えば、秋葉原の電気街もその一例です。当時は、そこでしか手に入らない情報や部品があり、手に入れたときの喜びは格別でした。きっと、その時代を経験した人にとって、あの頃はとても楽しかったと感じられるはずです。しかし、今の世代の人たちには、その感覚をなかなか理解してもらえないかもしれません。