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忘却のおじいちゃん

テオフィロス

[テオフィロス]

キャラID
: RW642-070
種 族
: エルフ
性 別
: 男
職 業
: 賢者
レベル
: 133

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テオフィロスの冒険日誌

2021-06-26 12:02:07.0 2022-03-24 08:44:55.0テーマ:その他

【妄想二次創作】 遠く響く声 その5 (最終話)

※注意!
【この日誌は妄想二次創作ネタ日誌です。広い心でお読み下さい】

※特に要注意!
【この日誌にはデスマスターの職業クエストに関する 『重大なネタバレ』 が含まれております】


よろしいですか?



 ネリムの協力を得て『冥食の儀』を行いデスマスターに必要な「霊感」に目覚めたチリ。デスマスターのみが使えるという「霊界通話機」から流れてきたのは、なんと死んだはずのデズリンの声だった…






チリ
「デズリンさん!?え、だって死んだはずじゃ」

デズリン
『ネリムちゃんも言ってたでしょ?デスマスターは死なないのよぉ』


『え?なに?デズリンさんいるの?マジか~ 全然聞こえないんだけど』

??
『霊周波数のチューニング不具合かもね。あの世とこの世じゃ通話に必要な霊圧もケタ違いだし。ウチら落ちた方がよくない?』

???
『だな。んじゃネリム、またな~』



デズリン
『あらあらぁ、サロンの最中だったのねぇ。あのコたちには悪いことしちゃったわ』

チリ
「いったい、何がなにやら…」

デズリン
『サロンっていうのは現世に生きてる複数のデスマスターと同時に会話することなの。でも、そこにわたくしがあの世から強引に通話に割り込んじゃったから霊界通話機に負担をかけちゃったみたいね』

チリ
「あの… 本当にあの世から話しているんですか…?」

デズリン
『うふふ、本当よぉ。チリさんは「冥食の儀」を終えたのよね。あなたの声も霊波に乗ってよーく聞こえるわ』

チリ
「『霊感』に目覚めたからあの世にいるデズリンさんの声が聞こえるんですね」

デズリン
『んー、それはちょっと違うかしらぁ。霊界通話機はもともと「霊感」の無いヒトでも霊の声が聞こえるように作られたものだから』

ネリム
「あ、あれ、そーだっけ?アタシてっきり霊界通話機は『霊感』が無いと使えないもんだとばっかり…」

デズリン
『もぉ、ネリムちゃんは相変わらずねぇ~。でも間違ってもいないわよぉ。「霊感」が無いと自分の声を相手に伝えることは出来ないから、一方的に聞くことはできてもさっきのようなサロンに参加することは出来ないの』

チリ
「あ、あの、『霊界通話機』って一体なんなんですか? 私、【遠距離通話機】の研究は禁忌だって言われてその理由をどうしても知りたいんです!」

デズリン
『もともとは昇天できずに助けを求める霊の声を聞くために作られたものなの。でも「霊感」に目覚めたデスマスター同士なら通話も出来るということがわかってね。そして、わたくしのように死を超越したデスマスターはこうやってあの世からお話することも出来るのよぉ』

チリ
「『霊感』が無い者が遠距離通話を行うのは難しいんでしょうか?」

デズリン
『そうねぇ。『声』や『言葉』というものには必ず『魂』がこもっているの。その魂は『霊波』にのって相手に届くものだから、「霊感」の無い者が遠くに声を届けようとしても霊波が弱すぎて意味をなさない音にしか聞こえないかもしれないわねぇ。それに…』

チリ
「それに?」

デズリン
『現世には未練を残した幽霊や恨みを抱いた悪霊が沢山いるのよぉ。もしも機械仕掛けの【遠距離通話機】が出来たとしても、意図せずにそういう霊の声を拾ってしまう恐れもあるわ。「霊感」の無いヒトが悪霊の声を聞いたら、耐性が無くて下手をすると死んでしまうかもしれないわね』

チリ
「だからティーザさんは、『命に関わる』って言ってたんだ…」

デズリン
『悪いことは言わないから【遠距離通話機】のことは諦めた方が良いと思うわよ』

チリ
「…ありがとうございます。おかげで理由がわかってスッキリしました。【遠距離通話機】の研究は諦めます。やっぱり私の手には余るみたいですから。でもせっかく『霊感』に目覚めたんだし別の研究を始めてみます」

ネリム
「あ、言い忘れたけどチリの食べたヨモの実って一口だけだったじゃん?あれっぽっちだと『霊感』は完全に目覚めないから、しばらくすると普通のヒトと同じくらいまで戻っちゃうと思うよ」

チリ
「ええーーーーっ!?」

デズリン
『あらあらぁ うふふ』
 




【 遠く響く声   完   】























デズリン
「…よろしかったのですか? わたくしの霊感をもちいれば貴女の声をチリさんに届けることもできたのですよ」

???
「これで良いのです。いくら王家の掟とはいえ、産まれたばかりの我が子を捨てた母に何を語る資格があるでしょう。私の声は届かなくても、あの子の声はいつも私には聞こえています。喜びも 悲しみも。それで良いのです」

デズリン
「きっと、貴女の声も聞こえていますよ。愛する者の声はどれほど遠く離れても響くのですから…」

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