オンライン『長期運営を前提とした拡張性の主軸について』思ってることの一部覚書。
■オンライン運営とは長期航海と同じ。舵取りが肝心。
始めに打ち立てる運航計画(航路図)は、運営継続を占う意味で当初定める展望予測。その一応の指針に照らして出港、のち、舵取りがなされる。
■基本のユーザー課金のみがメインコンテンツの運営に対する正当な評価基準となりうる。とすれば、その課金継続率の上がり下がりが航海(運営)の順調さを示すバロメータ。
■基本ユーザー課金外のその他の課金収入はメインコンテンツ運営への評価とは直接関係しない(特にクラウドの場合)。あくまで基本のユーザー課金はメインコンテンツへの期待、成長要素の拡張性へ対してのもの。
■不測の事態や当初の想定の甘さの露見などから、進路を指し示す羅針盤の針はいつでも変化しうる。評価は常に過去のもの。ぶら下がり続けられる評価など存在しない。よって長期運営のコンセプトの中心に据え置くべきは、基礎部分における柔軟性。設計段階において運営時に柔軟な対応を可能とする拡張性を基礎システム及び運営理念に組み込む事。
■運営の理念は共用利便性を付加して日頃からスタッフ間で共有し活用することが望ましい。
■力押しで運営スケジュールが遂げられてもユーザーは喜ばない。何なら一からやり直してもユーザーが期待する方向性がそこにあるなら、ユーザーはついてくる。
■長期運営に必要な(運営がユーザーに求める)のは基本課金とその維持。これが立ち行かなくなるのであれば、それはユーザーに『つまらない、面白くない』、または飽きられている、のいずれかの評価と受けとめるべき。むしろそうした危機感なしに追加パッケージを販売するというのでは何ら売り切り型の作品と変わりはない。
■ユーザー評価を分類する。要望の多く類して固まる箇所に対して拡張の頻度や拡張性の規模、方向性の変更を議論する。恣意的に評価の移ろいやすい場所を優先して重点的に取りまとめて根本的な見直しとすべきかを追求する。現状の運営には場当たり的な改編でそうした批判をかわせるとした甘い判断が漂って見える。
■オンラインならではの作品作りのコンセプトを打ち出す必要性。シリーズこれまでの売り切り型の作品との違いを明確化。遊びの基本に立ち返る。踏襲できる前例などないしセオリーも通用しない中でブランド力も通用しない。だから想定からプロットの段階で絶対的な面白さを実感するまで煮詰める必要がある。ストーリーコンテンツへの依存を例外的に捨てて見たらどうか。
■別枠課金で冒険タイプをセレクトチョイスできる追加クエストを販売すればいい。CV起用のムービーも同様に基本課金以外の運営費用から捻出するのが妥当。ストーリーコンテンツは欲しい人だけ買えばいい。単なる映像作品に課金したくない。特定のハードウェア上で動く必要性すらない。
■オンライン運営への評価は期待と同義語。よってメインコンテンツへの直接的な評価は売り切り型作品ち違い、パッケージ売上によって固定されない。作品の評価は仮に10年後一区切りとすれば、10年後に初めて完成版として評価される。それまでは常に暫定的な評価となる。あくまで運営への評価とは『メインコンテンツへ対する期待』と同じもの。であれば、ユーザー基本課金はメインコンテンツの充実化のためのもの、という解釈になる。それ以外では実のところ、ない。その認識を運営には持たれておいて欲しい。
■ユーザーの運営に対する期待値は課金代金に表れる。そしてその意識は運営の基礎力に対して向けられている。運営がその認識を疎かにすれば簡単に亀裂が生じる。ユーザーに求められている基本課金の使い途はあくまでもメインコンテンツ(遊びの部分)を充実(改善)してもらう為。ユーザー側にとって評価(期待)の対象とはそこのみ。ユーザーの多くが実にこの部分の『認識の取り違え』を曖昧として許したままである為に改善されない。そうしていずれ気づいたら客室乗務員もろとも船が難破するのを待つばかりとなっていた、ということになりかねない。今の社会全般、これに類似、該当する部分を多く抱える。
■その意味で、拡張性に対する正当評価に該当しない他の課金費用は余剰分として運営維持費用とは分けて計上すべき。
■作品そのものの趣旨へ直接的に関係しないユーザーの嗜好の範疇に限って課金される分は、クリエイターの自発的な発想力の育成や運営余力の保持へと充てて、メインコンテンツの基本的な開発費として直に組み込まない工夫が必要かと。
■他社発の課金特化型オンライン事業モデルをトレンドと見立てて、うわべだけを塗り重ねる中身のない運営とはならないで欲しい。中身の充実度を無視して収益さえあげれば良いという発想は敬遠します。クリエイターとして成長要素(中身)がない証拠。