ふしぎの魔塔 三つの節目
五階の魔法陣へ足を踏み入れたとき、みるくは黒い服の裾を両手で整えた。赤い光が床を走り、頭上では黄色い魔天鳥が長い脚を揺らしている。前に挑んだときは、ろくに装備を変換せず、拾った剣をそのまま握って倒された。所持金まで半分になったことを思い出し、机に置いた冷めた麦茶を一口飲んだ。
「今度は、同じ失敗をしないからね」
みるくは階段を上がるたび、装備を確かめた。十階までの短い道のりでも、剣を替え、鎧を錬金し、足りない効果をつけ直した。レベルを上げれば何とかなると思っていたが、黄色い鎧のボスは大きな武器を振り回し、正面から殴るだけでは倒れてくれない。部屋の隅では洗濯機が終了を知らせていたが、みるくはボスの動きを見ながら回復の機会を待った。
「洗濯物より、今はこっち」
攻撃を避け、距離を取り、覚えた技を使うと、十階のボスがようやく膝をついた。みるくは勝利の表示を見届けてから洗濯物を取り出し、白いタオルを椅子の背へ掛けた。台所には昼に食べた卵サンドの皿が残り、マヨネーズの匂いがわずかに漂っている。戻ってきた画面の中では、次の階へ続く扉が静かに光っていた。
十五階へ着く頃には、みるくの服装も変わっていた。緑色のスカートに金属の胸当てを着け、頭には少し不格好な緑色の兜をかぶっている。おしゃれよりも勝つための装備を選び、千ゴールドを超えるたびに銀行へ預けた。外の預かり所なら一ゴールドから預けられるのに、魔塔では千ゴールド単位なのが少し面倒だった。
「でも、もう半分にはさせないよ」
十五階の魔法陣では、小さな魔法使いのような敵が待っていた。見た目のかわいさに油断せず、みるくは杖を握り直し、錬金した装備の効果を一つずつ使った。余分に魔物を倒した時間は無駄ではなく、増えた体力と覚えた技が最後までみるくを支えた。敵が消えると赤い魔法陣は静まり、奥の扉が青白い光を放って開いた。
五階で倒され、十階で装備の大切さを知り、十五階では自分で準備を選んで勝った。みるくは兜の下から白い前髪をのぞかせ、開いた扉の前で記念写真を撮った。銀のフェザーチップで交換した指輪も増え、外の世界で使える理論値まで作ることができた。魔塔から戻ったら冷蔵庫のプリンを食べようと決め、みるくは次の二十階へ続く階段を見上げた。

こんなに低レベルでも装備を変え錬金するなら職人はうはうはなのに

5れベで装備変換。
錬金必須なんてここはアストルティアですか?